地域ニュース
【未来への軌道 錦川鉄道30周年】<5>担い手たち 運行や修繕、若手継承(2020年8月2日掲載)
「あのシリンダーの中に噴射ノズルが入っているからな」
「車体の構造が分かっていないと異常事態に対応できないぞ」
7月初旬。錦川鉄道の吉田裕志運輸課長(43)が、同社で運転士を目指す野坂優希さん(23)に車両を見せながら指導をしていた。廿日市市出身の野坂さんは、7月に入社したばかりの新人だ。
▽JR組 定年迫る
大学卒業後、別業種の会社で働いていた野坂さんだが、錦川鉄道が運転士を募集していると聞き転職した。錦町も錦川清流線もなじみはなかったが、子どもの頃から憧れた運転士になりたい一念だった。今は9月の資格試験に向けて勉強が「仕事」だが、乗客に顔を覚えてもらおうと窓口業務にも精を出す。
鉄道事業に携わる社員は20人で、このうち運転士は8人中4人が20〜30代。3人いるJR出身者はいずれも60歳前後で、同社生え抜きの若手だけで運行する時代はもうすぐそこだ。安全に関わる仕事だけに、運転士の松田輝久さん(28)は「ベテランがいつまで会社にいてくれるのか。不安はある」と打ち明ける。
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