地域ニュース
実りの秋、深まる リンゴやナシの収穫が盛ん
庄原、三次両市の果樹園でリンゴやナシの収穫が盛んになっている。庄原市高野町ではリンゴが色づきを増し、実りの秋が深まりつつある。後継者不足で今シーズンから地元のNPO法人の会員が引き継いだ三次市作木町香淀の高丸農園では、天候不良やクマの獣害に見舞われたものの、ナシの出荷が最盛期を迎えている
▽高野のリンゴ 食べ頃、品種リレー続く
高野町の農園では、つがる、秋映(あきばえ)、ふじなどさまざまな品種のリンゴが時期をずらして食べ頃を迎えていき、11月下旬まで収穫が続く。
約2ヘクタールの観光農園を営む田辺真治さん(60)は、約15品種を栽培。今月中旬に代表的品種、つがるが食べ頃を迎えて収穫を始めた。下旬には、爽やかな酸味が特長のシナノドルチェの最盛期を控えており、赤い色づきをよくする「葉摘み」の作業にも追われている。
田辺さんによると、猛暑だった8月に昼夜の寒暖差が小さく、実の色づきが進まなかったため、収穫は例年より1週間程度遅め。ただ「糖度も味もよい仕上がり。台風10号による落果もほとんどなかった」と胸をなで下ろす。
同町では現在、果樹園芸組合所属の19戸がリンゴを栽培。直売や贈答用が中心で、地元の道の駅などに順次並ぶ。観光農園ではリンゴ狩りも楽しめる。
▽作木のナシ 継承1年目、決意の出荷
標高約400メートルの山頂付近にある高丸農園では、約3ヘクタールの畑でナシ7品種を栽培する。収穫は9月中旬から主力の豊水が本格化。農園内の選果場では、糖度12度前後の豊水を、スタッフが大きさや形を見極めて丁寧に箱詰めしていた。
農園は、地元の農事組合法人が山を切り開いて40年以上ナシ栽培を続けたが、今シーズンからは作木町のNPO法人「元気むらさくぎ」の会員たちが引き継いだ。1年目の収量は、春の低温や梅雨の長雨に加えてクマの食害に遭ったこともあり、昨年の3割ほどにとどまる見通しだ。
農園には、今年も広島県内外のファンから注文や問い合わせが相次ぐ。農園長の河野隆幸さん(51)は「十分な量を用意できず心苦しいが、高丸の味と信頼をつなぐためにも、今年の経験を来シーズンの対策に生かしたい」と前を見据える。(小島正和、高橋穂)
【関連記事】
あなたにおすすめの記事
同じ日のニュースの記事
-
広島駅南口再整備、タクシー乗り場閉鎖「不便」 利用者、市中心部へ運賃増 [中国地方のニュース] (2/28)
-
後継探しコロナで難航 島根の瑞穂ハイランド [中国地方のニュース] (3/1)
-
中国地方の避難者1397人 東日本大震災10年、8年連続減 [中国地方のニュース] (3/1)
-
タクシー、違法な客待ち横行 広島駅南口再整備で近くの市道 [中国地方のニュース] (2/28)
-
負傷しながら救護に尽力、被爆神父の歩み紹介 広島平和祈念館 [中国地方のニュース] (3/1)
広島県熊野町の筆の製造や販売業者たちでつくる熊野筆事業協同組合などは22〜27日、「熊野バーチャル筆まつり」をオンラインで開く。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえて中止された筆まつりの代替企画。筆...
安全保障関連法の成立から5年となった19日、安保法の廃止を訴える街頭活動が広島市中区であった。
原爆で家族を失った広島市西区の川本省三さん(86)が、戦時中に学童疎開していた善徳寺(三次市廻神町)を訪ね、当時通った神杉国民学校(現神杉小)で机を並べた同級生の藤川寿雄さん(87)=同市三良坂町長...
尾道市ゆかりの作家林芙美子(1903〜51年)の功績をたたえる、同市土堂の「おのみち林芙美子記念館」が20日、リニューアルオープンする。新たに加わった直筆原稿や遺品など約130点を展示。隣接する芙美...
東広島市八本松町原の新仏照琴(しんぶつ・しょうきん)さん(91)は、3歳から始めた書道を今も続けている。「書が私の人生」と話し、集大成として来年開催する予定の個展に向け、創作に打ち込む。