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山あいの古民家シェアハウス 大学生3人、思い思いの生活

2020/9/21
「寺東の家」の居間に集まって談笑する小野さん(左)、瀬戸さん(中)、コイコイさん

「寺東の家」の居間に集まって談笑する小野さん(左)、瀬戸さん(中)、コイコイさん

 東広島市志和町内(うち)に、築約120年の古民家を改修して広島大生3人が暮らすシェアハウスがある。大学から約10キロ北の山あいにオープンして2年。学生街では味わえない田舎暮らしを求めて入居した若者が、地域住民の輪に溶け込んでいる。

 集落名にちなんで「寺東の家」と呼ばれるシェアハウス。木造平屋で、土間の玄関と台所の奥に、ふすまで仕切られた畳の居間や個人部屋が並ぶ。

 約20年間空き家だったが、町内で学習塾を開く同大OBの笠井礼志さん(27)たち有志が、学生の集う場をつくろうと2017年春に改修を始めた。床や天井の張り替えなどは建築を学ぶ学生がボランティアで担い、1年半かけて整えた。

 現在の入居者は、開設時から暮らす総合科学部4年小野晴香さん(23)、1年前に住み始めた米国出身の大学院生アルビン・コイコイ・ジュニアさん(26)、今年7月に入居した同学部4年瀬戸響さん(23)。既に卒業した元住人は2人いる。

 小野さんは、1人暮らしに窮屈さを感じたのがきっかけで住み始めた。最寄りのコンビニまで車で10分かかる環境も「不便さは感じない。ここにいると落ち着く」と話す。

 「日本の農村生活に興味があった」とコイコイさん。瀬戸さんは「夜な夜なギターを弾いても誰も怒らない」と、思い思いに自然豊かな環境を満喫する。8月にはみんなで庭に寝転がり、ペルセウス座流星群を眺めたという。

 通学やアルバイトに車は欠かせない。ただ、本年度は新型コロナウイルスの影響で大半がオンライン授業に。4年生2人の就職活動もリモート形式で完結した。

 大切にしているのが地域とのつながりだ。秋祭りでみこしを担いだり、地元の東志和小の運動会でリレーに出場したり。コイコイさんは「散歩中に声を掛けてもらえるようになった。いい関係が築けていると思う」と笑顔を見せる。

 隣の家に住む石川かね子さん(71)は野菜や調味料を差し入れ、手料理を教えるなど家族のように世話を焼く。「集落の若者が減る中で、私たちも元気をもらっている」とうれしそうだ。

 3人はいずれも来春、卒業などで寺東の家を出る予定。小野さんは「支えてくれる周りの人にいつか恩返しがしたい」と話している。(長久豪佑)

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