島根県が投稿サイト監視強化 コロナ感染者への中傷、行政通報に基準
インターネット上の人権侵害が急増しているのを受けて、島根県が投稿サイトなどのモニタリング(監視)を強めている。新型コロナウイルスの感染者に対する誹謗(ひぼう)中傷が相次ぐ中、被害者に代わって松江地方法務局に申告する「行政通報」の基準を設けるなど本腰を入れる。監視の目を増やそうと、10月には県内の市町村の職員を集めた研修会も開く。
モニタリングは昨年10月、人権同和対策課で始めた。職員5人程度が当番を決めて他の業務をこなしながらインターネットの掲示板や会員制交流サイト(SNS)の書き込みをチェック。人権侵害が疑われる記述を見つければ、サイト内のフォームなどで削除を要請。管理者に連絡が取れない場合は画像を印刷、保存し、必要に応じて県警などに情報提供している。
松江市の立正大淞南高で8月、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した際には、ネット上で生徒の顔が分かる写真の無断掲載や誹謗中傷の書き込みが続発。対象者が多く、被害者自身の申告は困難とみて、法務省の人権侵犯事件調査処理規程に基づき、計13件を松江地方法務局に行政通報した。法務局がプロバイダーに削除要請するなど8月末時点で3件の削除、1件のモザイク処理につながったという。
同規程に基づく行政通報は異例で、県は、通報基準を定めた内規を新たに策定。被害者や家族からの申告が困難で、関係者から強い要望がある場合などに知事が行うと取り決めた。
自治体職員向けの研修会は10月20、21日にそれぞれ県の出雲合同庁舎と益田合同庁舎で開く予定。専門家を講師に迎え、モニタリングのノウハウを学ぶ。同課の山根雅之課長は「監視の網を広げ、一人でも多くの人権救済につなげたい。行政が監視していると知ってもらうだけでも抑止効果になる」と話している。(松本大典)
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