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早めに避難を、紙芝居で訴え 土砂災害で息子失った平野さん原案

2020/9/26 21:35
完成した紙芝居を熱演する制作メンバー

完成した紙芝居を熱演する制作メンバー

 2014年8月の広島土砂災害で息子2人を失った平野朋美さん(43)=広島市安佐南区山本=が脚本の原案を手掛けた紙芝居「なっちゃんのランドセル」が完成した。早めの避難の大切さを訴える内容。平野さんは「紙芝居を通じ、私の経験や思いが多くの人に届いてほしい」と願う。

 12枚の紙芝居は、自宅と祖父母宅が土砂に襲われた小学1年の女の子、なっちゃんが主人公。宝物のランドセルも壊れて悲しむが、家族との関わりの中で「命を守ることが何よりも大切」と学ぶストーリー。

 地元の子育て支援団体「MaMaぽっけ」代表の坂本牧子さん(59)が昨年夏、「若い世代に広島土砂災害の記憶を伝える活動をしたい」と提案。平野さんたち約20人が賛同し、紙芝居を作ることにした。

 区総合福祉センターで今月15日にあったお披露目会には平野さんや坂本さん、広島土砂災害の追悼行事に携わってきた広島経済大(同区)などの学生たち12人が出席。情感豊かに読み上げた制作メンバーの熱演に見入った。

 14年8月20日未明、平野さん宅の裏山が崩れて家に土砂が流れ込み、1階にいた長男遥大(はると)君=当時(11)=と三男都翔(とわ)ちゃん=同(2)=が犠牲になった。主人公の名前は被災2年後に誕生した長女菜月希(なつき)ちゃん(4)にちなんだ。

 お披露目会で平野さんは「あの日、住宅地で土砂崩れが起きるとは思ってもいなかった。早く避難していれば、との思いを物語に込めた」と語った。

 制作メンバーは今後、区社会福祉協議会と連携して活用方法を検討する。坂本さんは「大学生たち若い人の力も借り、紙芝居を地域に広めたい」と話している。(久保友美恵)

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