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大規模買収事件、「受領」13県議の追及なし 広島県議会が決議案見送り 「公判中」「それぞれ事情」

2020/10/1 22:58

 昨年7月の参院選広島選挙区での大規模買収事件を巡り、広島県議会(定数64)では開会中の定例会に、現金を受け取ったとされる県議13人の責任を追及する決議案が出ない見通しとなった。単独で提出できる主要4会派のうち、被買収者を抱える自民党系2会派に動きがなく、非自民党系の2会派は「公判を見極めたい」との姿勢のためだ。市町の議会が辞職勧告や説明を求める決議をする中、自浄能力が問われる。

 検察側が、公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)=衆院広島3区=と妻の案里被告(47)=参院広島=から金を受けたとして現職の県議13人の名前を明らかにしたのは、8月25日の初公判だった。最大会派の自民議連(33人)に8人、第3会派の自民党広志会・つばさ(7人)に5人が所属している。

 その後では初となる定例会は9月18日に開会し、今月6日に閉会する。県議会事務局によると、決議案を提出するためには県議6人以上の賛同が必要。8会派のうち、単独で出せるのは主要4会派となる。

 被買収者を抱える自民党系2会派では、決議案を出す動きがない。自民議連の冨永健三会長は「返金した県議もおり、それぞれ事情が違う。公判で順次証言をしている最中で、行方を見守りたい」。自民党広志会・つばさの城戸常太会長は「受領議員をひとくくりにして責任を問うのはどうか。司法の判断などを踏まえて考える」との立場だ。

 このため、決議案が定例会の本会議で審議されるかどうかは、非自民党系の2会派の動向が鍵を握っていた。ただ、2会派はいずれも、開会中の定例会への提出を見送る。

 民主県政会(14人)の中原好治会長は、対象県議の説明を聞く場を設けるよう中本隆志議長に要請した経緯などを理由に「今定例会では、決議案提出などは必要ないと会派で判断した」と説明。公明党議員団(6人)の栗原俊二団長は「公判中を理由に説明を拒まれると打つ手がない。どう対応するかは、次回以降の定例会で検討する」と語る。

 このほか、一般質問で被買収者の責任に触れた共産党(1人)の〓恒雄会長は「議会として真相究明を迫るよう、閉会までに中本議長へ申し入れる」とする。

 検察側が被買収と指摘した地方議員は、ほかに県内の6市議会、3町議会に所属していた。このうち呉市議会は7月10日、江田島市議会は8月7日、それぞれ市議1人に対する辞職勧告決議案を可決。安芸太田町議会は9月17日、町議1人への同決議案を否決した。

 被買収の現職が13人いる広島市議会は7月18日、公明党が3人、共産党が6人に対して出した辞職勧告決議案を廃案とし、関係する市議に政治倫理を順守するよう決議した。9月25日には、共産党による7人への辞職勧告決議案を否決し、13人に市議会での説明を求める決議案を可決した。

 決議案とは別に、県議会では8月26日、中本議長が13人に事実関係の説明を求める文書を送った。裁判を待たずに記者会見などで事実を明らかにするよう促す内容だった。このほか政治倫理条例に基づき、公正を疑われる金品の授受などの実態を調べる審査会を設置できるが、定数の6分の1以上かつ2会派以上の県議による請求が必要となる。(畑山尚史、樋口浩二)

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