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「お試し避難」推奨・「生き抜く」意識持とう 防災国民大会パネル討論

2020/10/3 23:01
「ぼうさいこくたい」のパネル討論では、減災に向けた取り組みを話し合った(撮影・藤井康正)

「ぼうさいこくたい」のパネル討論では、減災に向けた取り組みを話し合った(撮影・藤井康正)

 「防災推進国民大会2020」(ぼうさいこくたい)のメインプログラムとして3日、広島市中区の広島国際会議場から動画配信されたパネル討論。市内で大きな被害が出た2014年8月の広島土砂災害と18年7月の西日本豪雨の経験を、災害時の早めの避難にどうつなげるかなどを巡って、10人のパネリストが意見を交わした。

 「市民に自らの命を守ってもらうためには、災害をわがことと思う風土を地域で育てることが大切だ」。広島市の松井一実市長は、多くの犠牲者が出た二つの災害を振り返った。砂防ダムなどのハード整備は国、広島県、市が役割分担して進めると説明。住民には「声を掛け合って避難する自主防災を促す」とした。

 これに対して、早稲田学区社会福祉協議会(東区)の西田志都枝会長は「現場はなかなかうまく進まない」と切り返した。戸建てやマンションといった住まいの種類や立地場所によって、実際の避難の仕方は異なると指摘。住民に事前の「お試し避難」を勧めているとして「一人一人の認識を高める」と力を込めた。

 1時間半の討論では、高齢者が増える中、福祉の専門職を交えて個別の避難計画を作っている兵庫県の事例が報告された。新型コロナウイルス禍に対応した少人数の分散避難で、避難所として福祉施設やホテルの活用を促す意見も出た。

 司会は、広島経済大の松井一洋名誉教授(災害情報論)が担った。「災害で一人の命もなくさないための取り組みを進める必要がある。『まずはしっかりと生き抜く』との意識を持てるよう、地域が一つになってほしい」と締めくくった。(山本祐司)


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