地域ニュース

コロナ下接客、「炎上」と「共感」 尾道観光、SNS投稿きっかけ

2020/10/6 23:00
マスク着用を巡り、SNSでトラブルに巻き込まれた飲食店の張り紙

マスク着用を巡り、SNSでトラブルに巻き込まれた飲食店の張り紙

 秋の行楽シーズンを迎える中、観光地尾道で会員制交流サイト(SNS)への投稿をきっかけに「炎上」と「共感」が広がる対照的なケースが起きた。いずれも新型コロナウイルス禍での接客を巡る対応だ。政府の観光支援事業「Go To トラベル」は東京発着が今月追加され、人の往来がますます盛んになる。専門家は「安易に賛否で盛り上がるべきではない」と注意を促している。

 炎上の発端は、実業家の堀江貴文氏によるフェイスブックへの投稿だった。堀江氏が市中心部の飲食店を9月下旬に訪れた際、同行者がマスクをつけておらず入店を断られたとし、「着用ルールを聞いただけなのに失礼な対応」などと批判した。店側もブログで反論し、SNSでは双方への非難が集中した。

 店主男性によると、店内で感染拡大が起きると営業が続けられないため、マスク着用は譲れないルールだったという。店には60件以上の嫌がらせの電話が殺到。予約の電話が取れず家族も体調不良となり、休業に追い込まれた。

 男性は「(堀江氏は)発信力が圧倒的で、人の悪意も刺激する。うちは身を守る方法がない」と嘆く。現在も店は再開できない状態が続き、「ぐっとこらえ反論しない方が良かった」と複雑な感情をにじませる。

 一方、SNSで好意的な反響が広がったのが、市街地と千光寺山を結ぶ「千光寺山ロープウェイ」の公式ツイッター。9月中旬の投稿で、利用客から「このご時世なのに人が多い」と怒鳴られたスタッフがいたと明かし、混雑緩和や新型コロナ対策に努めていることに理解を求めた。投稿には、計約8万件の「いいね」が付いた。

 ただ、運営するおのみちバスは「お客さまの話を投稿するのは不適切。書き方次第では炎上した恐れもある」と振り返る。今後、SNS運用のガイドラインを設ける方針だ。「担当者の感性とリスク管理のバランスが大切」と戒める。

 広島大大学院の匹田篤准教授(社会情報学)は「SNSは、共感が軸になるメディア。投稿は人の心を癒やす一方で、偏った感情や価値観を増幅させ、小さなトラブルでも炎上に発展しやすい」と利用者に冷静な対応を求めている。(田中謙太郎)

「ヘルパーから感染」 遺族が介護業者を提訴 三次の82歳死亡

防府の陸上自衛官はバーベキュー参加 山口県、新型コロナ3人感染

広島県内の入院・療養者、連日100人超す

母と弟発熱、そして私も… コロナ感染、中国地方50代女性の体験

母の認知症悪化、生活一変 コロナ感染、中国地方50代女性の体験


この記事の写真

  • 共感が広がった千光寺山ロープウェイのツイート

上記の写真をクリックすると拡大して表示されます。

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

同じ日のニュースの記事
一覧