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コロナ「陰性証明」広がる 出張や見舞い、PCR自費で

2020/10/9 22:59
海外渡航の希望者(左)を検査する前に、注意事項を説明する北川医師(広島市南区の広島大病院)

海外渡航の希望者(左)を検査する前に、注意事項を説明する北川医師(広島市南区の広島大病院)

 新型コロナウイルス感染症の「陰性証明」を求める人が増えている。海外での入国には検査結果の書類が必須で、出張や見舞いの際に企業や病院が検査を求めるケースもある。それに呼応するように、無症状の人の検査に利用者負担で応じる施設が広島県内でも目立ってきた。

 福山市の井上病院は9月、無症状の人を専門にPCR検査をする「だるま検査センター」を設けた。職場などに求められた検査をできずに困っている人が多いと知ったからだ。唾液を取り、その日の飛行機で東京の検査会社に送る。結果は翌々日の午前に知らせる。

 9月7〜30日には10〜70代の37人を検査した。費用は1回4万1800円。目立つのは、出張などで県外に移動する前後に企業が陰性証明を求める例だ。介護施設の入居に必要という人もいた。渡航目的は原則、ほかの病院を紹介する。センターの小西直人社長は「想像以上にいろんなニーズがある」と驚く。

 中には、県外の病院に入院する危篤の親族を見舞うために利用した人もいた。その家族の男性(69)=福山市=は「検査できなければ、最期に顔を見て話すこともかなわなかった。ありがたい」と感謝する。

 広島市東区の医院では、介護実習に行く学生も検査したという。ただ、医師は「新型コロナが流行して症状がある人の検査が増えたときにも、無症状の人の自費検査をする余裕があるかどうか」と懸念する。

 渡航者を対象にするのは広島大病院(南区)や舟入市民病院(中区)、福山市民病院などがある。唾液の検査では入国できない国もあるため、喉の粘液を採取する。自前の機器を持つ広島大病院は6月に始め、9月末までに企業の駐在員や帰国する外国人たち約350人を検査した。感染症科の北川浩樹医師は「フライト便が増加し、さらに検査数は増えそう」とみる。

 自費検査の相場は2万〜4万円台と高額だ。一方、自費検査を受けやすくする動きも出ている。ソフトバンクグループは9月下旬、企業などを対象に、1検体2千円(配送料など除く)という低価格の唾液PCR検査を始めた。

 舟入市民病院感染対策室の松原啓太室長は「経済を動かすために幅広い検査が求められている。だが、結果が陰性だからといって感染リスクはゼロではない」と指摘する。「本当は陽性なのに陰性と出ることもある。検査翌日に感染する恐れもある。検査の限界も知っておいてほしい」と呼び掛けている。(衣川圭)

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