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【断て特殊詐欺】心理学応用し被害防止 島根・津和野署が手口体験するテスト

2020/10/10 22:09

鉛筆を立てるテストに挑戦するお年寄りを見守る北川客員教授(奥)

 人間は条件がそろえば誰でもだまされる―。こうした危険性を心理学の手法で実感してもらい、特殊詐欺の被害防止につなげる教室を津和野署が開いている。地元在住の専門家の協力を得て、正常な判断を妨げる手口を体験するテストを作った。同署は「大丈夫と思っている人ほどだまされる。恐ろしさを知ってほしい」と強調している。

 テストは3種類。ヘッドホンを着けて5本の鉛筆を20秒間で等間隔に立てるテストは、耳元で「倒すと大変」「時間ないですよ」などの声をひっきりなしに流す。声が耳元ですると無視できず、不安な心理状態だと注意がそれることを実感してもらう。

 音声を使ったテストは、「お母さん助けて」と叫ぶ4通りの声から出題者の声の聞き分けを体験。電話は音質が悪く、リズムやイントネーションが似ていると区別できないと伝える。もう一つのテストは、複数人でボールをパスする回数を数える最中に着ぐるみが登場する映像を見せる。集中すると登場に気付かず、詐欺にかかっている電話中はだまされていることに気付かないと知らせる。

 9月中旬に吉賀町の町社会福祉協議会であった被害防止教室には70〜90代の11人が参加。鉛筆のテストは全員失敗したが、ヘッドホンを取ると大半が成功した。豊田百恵さん(92)は「私は大丈夫と思っていたのに引っかかった」とびっくりしていた。

 同署によると、特殊詐欺の被害防止教室に参加した人の約8割は心の中で「自分はだまされない」と思っており、注意喚起の効果が低かった。同町在住の立命館大の北川智利客員教授(心理学)に協力を依頼してテストを作成。7月から津和野、吉賀両町で教室を開いている。

 北川客員教授は「犯人は人間の性質を悪用した巧妙な手口を使っている」と強調。「実際に手口を体験し、だまされるかもしれないことを理解するのは非常に効果的」と話している。(根石大輔)

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