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爆心地座標、詳細に解明 広島大元助手、旧島病院の中庭付近

2020/10/11
赤い点が原爆の爆心地。国土地理院の「電子国土基本図(2011年撮影)」に「基盤地図情報」などの道路縁、建築物の外周縁、町名などを重ね合わせて表示(竹崎さん調製・提供)

赤い点が原爆の爆心地。国土地理院の「電子国土基本図(2011年撮影)」に「基盤地図情報」などの道路縁、建築物の外周縁、町名などを重ね合わせて表示(竹崎さん調製・提供)

 1945年8月6日、広島を壊滅させた原爆の爆心地について、現行の日本測地系での経緯度が明らかになった。地理学が専門で元広島大原爆放射線医科学研究所助手、竹崎嘉彦さん(62)が地理情報システム(GIS)を駆使して突き止め、国土地理院の「電子国土基本図」に表示した。米軍が投下直前の同年7月25日に撮影していた航空写真を正射投影した画像上でも示した。

特集・ヒロシマの空白

 爆心地の経緯度座標は、東経132・454797056度(132度27分17・3秒)、北緯34・394593542度(34度23分40・5秒)。2011年撮影の電子国土基本図(衛星画像)で見ると、広島市中区大手町1丁目の島内科医院南隣にある大手町中央駐車場の出口南側となる。島一秀名誉医院長(86)によると、駐車場に貸している旧島病院敷地内で中庭付近に当たるという。

 広島原爆のさく裂は、45年10月現地入りした理化学研究所員らが細工町(現大手町1丁目)の島病院上空と明らかにした。座標値は、米陸軍地図から米国の専門家が69年に再調査して原爆傷害調査委員会(ABCC、現在は日米所管の放射線影響研究所)が同年公表した報告書が基になっている。

 竹崎さんは、日米の科学者が03年に承認した被曝(ひばく)線量推定方式「DS02」の策定でも使われた69年の報告書座標値を、より高い精度で現行の日本地図に採用される投影座標系に変換した。併せて、広島壊滅直前の米軍航空写真の傾きを幾何補正した画像でも表示した。詳細な手順は、原爆資料館の展示に助言する「資料調査研究会」の最新の研究報告書で公表している。

 国土地理院基本図情報部長も務めた、政春尋志・元東洋大教授は「今回の手法は適正なものであり、爆心地座標の精度を高めたといえる。デジタル地図への表示は、原爆投下を若い世代が知ることにもつながると思う」と評価している。(西本雅実)


この記事の写真

  • 壊滅直前、1945年7月25日の広島デルタ。左上は米軍が原爆投下の照準点としたT字型の相生橋(竹崎さん調製・提供)
  • 国土地理院の「電子国土基本図(2011年撮影)」に赤い点で示された原爆の広島爆心地。上側が旧市民球場跡地(竹崎嘉彦さん調製・提供)
  • 壊滅直前の1945年7月25日に撮影された広島デルタの米軍航空写真。赤い点が爆心地(竹崎嘉彦さん調製・提供)
  • 米陸軍地図(地図局が1946年発行)上で示した爆心地

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