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学校が探る新しい運動会 コロナ禍、観客限定や接触避ける演技考案
秋の運動会シーズン真っ盛り。新型コロナウイルス禍を受け、広島市内の小中学校の運動会が様変わりしている。児童生徒の接触を避ける種目や応援方法を取り入れたり、保護者の観戦を限定したりするなど感染防止に工夫を凝らす。臨時休校になった春から延期して開く学校も多く、感染防止と子どもの思い出づくりの両立に腐心している。
翠町小(南区)は、5月に予定していた運動会を今月17日に開く。各学年の種目を例年の3から2に減らし、1家族2枚の整理券を配って観客を限定する。坊田裕紀子校長は「コロナ禍で多くの行事が制限される中、運動会は開こうと知恵を絞った」と話す。
文部科学省が定めたマニュアル「学校の新しい生活様式」では、児童生徒が近距離で組み合ったり、接触したりする運動は「感染リスクが高い」とする。このため各校は種目選びや実施方法に気を配る。
翠町小は組み体操の代わりに、児童の接触を避ける演技を考案した。同じく17日に運動会を開く竹屋小(中区)は綱引きや騎馬戦をやめる。23日に体育祭を予定する江波中(同)は、リレーなど接触が比較的少ない種目に絞る。各校は応援合戦での歌を外したり、入場行進をなくしたりと種目以外のプログラムも見直す。
全学年が一度にグラウンドに集まらないよう分散開催する動きもある。千田小(同)は4日、低・中・高学年で時間をずらして実施した。出番のない学年は、テレビ中継される他学年の競技の様子を教室で観戦し、声援を送った。保護者から「運動会で子どもの頑張りを見ることができて良かった」との声が寄せられたという。
市内最多の約1160人の生徒が通う祇園中(安佐南区)は今月中旬、学年ごとのクラスマッチとして3日間に分けて開く。金村成義校長は「苦肉の策だが、行事で育まれる力もある。感染対策を講じながら多様な学びの場を確保したい」と力を込める。(小林可奈)
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