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呉の老健施設、止まらぬ新型コロナ感染 再検査で陽性/高齢者リスクも

2020/10/12 22:18

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した呉市内の介護老人保健施設で、新たな感染者の確認が続いている。10日に2人、11日には12人の感染が分かり(発表は翌日)、累計では31人となった。検査でいったん陰性と判定されながら、再検査で陽性となるケースが相次ぐ。重症化リスクの高い高齢入所者の感染も多く、原因の究明が急がれる。

 ■感染拡大の経緯

 この老健施設では9月25日に初の感染が確認された。職員2人で、別のクラスターが発生した飲食店を利用していたという。27日には入所者2人の感染も分かった。市は28、29の両日、施設の関係者全225人に一斉のPCR検査を実施。29日までに職員と入所者計12人の感染が分かり、それ以外は陰性だった。

【グラフ】中国地方の新型コロナウイルス感染確認者数

 10月3日、入所者1人に発熱などの症状が出たため再度検査したところ、4日に感染が判明。その後、10日までに計7人が再検査で陽性となった。市は、施設内でも特に感染リスクが高い場所にいた78人を11日にあらためて検査し、そのうち12人の感染が分かった。 市によると、感染者31人のうち職員5人、入所者1人の計6人がすでに退院し、25人が入院中。重症者はいないという。

 ■市や施設の対応

 呉市は国のクラスター対策班、広島県の感染症医療支援チームとも連携している。感染者との接触具合に応じて職員や入所者をグループ分けし、日々の検温や消毒を徹底するよう指導。入所者たちの体調に変化があれば、素早く医療機関に搬送できる態勢は整えてきた。

 新原芳明市長は「職員の濃厚接触者については調査を進めており、それ以外に外部との接触はない。市中の感染拡大とは違う」と説明した。

 ただ、老健施設ならではの難しさもある。責任者の男性(45)は「入所者の中には徘徊(はいかい)する人もいる。全員の行動は制限できない」とする。

 施設ではまず職員の感染が判明し、その後に入所者の感染が分かった。「職員から利用者に広がったとみている。ただ、職員のマスク着用や手洗いなどは徹底しており、できる対策はしていた」と男性。「感染の拡大が止まらず、残念だ」と肩を落とす。

 ■入所者家族の思い

 この施設に家族が入所している市内の女性は、複雑な心境を明かす。「施設からは電話などで頻繁に連絡があり、全体的によくやってもらっている印象。感染の拡大は仕方がないところもある」。一方で「高齢者が多いのでやっぱり不安」との思いも。「一番の心配は周囲からの誹謗(ひぼう)中傷。みんなが落ち着いて対応できるよう見守ってほしい」と願う。(杉原和磨、東谷和平) 

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