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山口県の2000万円「貴賓車」、実態は「議長車」 県庁―周防大島120キロ送迎

2020/10/15
山口県が約2千万円で購入した黒塗りのセンチュリー(県議会棟駐車場)

山口県が約2千万円で購入した黒塗りのセンチュリー(県議会棟駐車場)

 山口県は約2千万円のトヨタの最高級車「センチュリー」を公用車として購入した。皇族送迎用の「貴賓車」と説明するが来県予定はなく、事実上、県議会の柳居俊学議長の公用車。公務のある日には県庁から120キロ離れた周防大島町の自宅まで送迎する。識者からは議案の議決権を握る議会への忖度(そんたく)と批判の声が出ている。

 黒塗りのセンチュリーは5リットルエンジンに車内にはスピーカー20個、後部座席にはもみほぐしのマッサージ機能や11・6インチのモニターを備える。一般競争入札で2090万円で調達した。

 県はこれまで議長用と副議長用、貴賓車の3台のセンチュリーを所有。旧貴賓車は2002年に約1300万円で購入。運転日誌が残る直近3年間で走ったのは13日間だけ。うち皇族の利用は18年10月に山口市であった全国都市緑化祭で秋篠宮ご夫妻を運んだのが最後だ。

 副議長用の走行距離が30万キロを超えたため、購入から18年が経過した貴賓車と合わせ2台を売却した。県は新しい貴賓車を議長公用車と兼用し、それまでの車は副議長に回した。所有を1台減らすことで経費削減を図ったとしている。中山広信物品管理課長は「皇族をお乗せする車なので信頼性と実績からセンチュリーを選んだ」と話す。

 県議会事務局によると、柳居議長は19年度、議長車を190日間使って計3万7508キロ移動。今後は周防大島の議長の自宅との往復や各イベント出席などに新調したセンチュリーで送る。ちなみに村岡嗣政知事の公用車は防府市に工場を構えるマツダのCX―8で購入価格は371万円。

 柳居議長は取材に「知事部局が予算を含めて決めたこと。私は関与していないし、車内でマッサージも使っていない」と話した。

 地方自治に詳しい千葉大の新藤宗幸名誉教授(行政学)は「皇族をだしに体よく議長車を新調したとみられても仕方ない。財政難の中、時代錯誤も甚だしい。予算に対する知事の責任が問われている」と話している。(門脇正樹)


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