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もののけの町応援団<1>地域おこし協力隊員竹股星音さん(26)(2020年1月8日掲載)

2020/10/18 9:50
「かわいくなったね」。妖怪メーク講座の最終回で参加者に声を掛ける竹股さん(右)=2019年10月22日

「かわいくなったね」。妖怪メーク講座の最終回で参加者に声を掛ける竹股さん(右)=2019年10月22日

 ▽「烏天狗」扮装 メーク指導

 大胆に側頭部をそり上げたヘアスタイルに、真っ黒なくちばし。全国の妖怪伝説に姿を現す「烏天狗(からすてんぐ)」の扮装(ふんそう)で、三次市三次町の妖怪博物館を訪れた観光客と記念写真に納まる。東京や関西での観光キャンペーンにも同行し、三次をアピールする。

 神出鬼没の烏天狗の正体は竹股星音(せいね)さん(26)=同町。地域おこし協力隊員として2017年7月、三次市に赴任した。博物館開館を前に、同館を中心に観光PRを担う人材を募る求人があった際、「大好きな妖怪に、仕事で携われる」と手を挙げた。

 古寺や文化財が身近にある奈良市で育った。幼い頃からの妖怪好き。江戸時代に妖怪文化を全国に伝える媒体になった版画に引かれ、京都精華大芸術学部(京都市)で美術を学んだ。

 「大学でコスプレ好きの友人に出会い、特殊メークに興味を持った。身近な材料を使って何者かになりきる楽しさを知った」。変装の経験や知識を生かし、烏天狗への変身に必要なものは全て100円ショップやホームセンターで入手する。18年7月、三次市中心部の夏のイベント「三次きんさい祭」でデビューした。

 妖怪博物館の開館後は、同館に隣接する交流棟で市民グループ「物怪(もののけ)プロジェクト三次」と一緒にメーク講座をほぼ毎月開いた。昨年10月にあった最終回で約10人に「修了証書」を渡すと、受講生からバースデーケーキを贈られた。

 「真剣に苦労して作って、なりきって…。クリエーターとして自分が大切にしている気持ちを共有できてうれしかった」。協力隊の任期は6月末まで。「三次で大きく育ててもらった烏天狗をこれからも大事にしたい」(石川昌義)

    ◇

 三次市三次町の妖怪博物館は昨年4月の開館後、13万人を超える人々が訪れ、活況が続く。江戸時代の妖怪伝説「稲生物怪(いのうもののけ)録」の舞台となった三次市で、あらためて妖怪が見直されている。もののけの町からの情報発信を支える市民たち「応援団」の姿を追った。

【もののけの町応援団】
<1>地域おこし協力隊員竹股星音さん(26) 「烏天狗」扮装 メーク指導
<2>DMO職員 弓掛友さん(29) グルメ・カフェ呼び水に
<3>時代小説作家 佐々木裕一さん(52) 愛されキャラ「聖地」に
<4>横谷神楽団 伝説再現 魅力高め合う
<5>紙芝居作家 行政豊彦さん(61) 江戸時代の空気伝える
<番外編>妖怪博物館に資料寄贈 湯本さんに聞く

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