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もののけの町応援団<番外編>妖怪博物館に資料寄贈 湯本さんに聞く(2020年1月16日掲載)

2020/10/18 10:20
妖怪博物館で「デジタル技術を生かした展示は妖怪文化を将来に伝える力になっている」と話す湯本さん

妖怪博物館で「デジタル技術を生かした展示は妖怪文化を将来に伝える力になっている」と話す湯本さん

 ▽語り継ぐ三次市民に敬意 世代超え楽しむ場に

 昨年4月に開館した三次市三次町の妖怪博物館は、妖怪研究家湯本豪一さん(69)=東京都江戸川区=が同市に寄贈した妖怪関連資料約5千点を収蔵する。30年以上かけて収集した資料を同館に託した湯本さんに、妖怪文化を伝える住民の存在や同館の将来像について聞いた。

 ―資料を三次市に寄贈する決め手は何でしたか。

 江戸時代の妖怪伝説「稲生物怪(いのうもののけ)録」の舞台になった三次市には、妖怪文化を大切にする人々の心が今も根付いている。寄贈先をどこにするかを判断する大きな要素になった。

 ―連載では「もののけの町」の個性を広く伝える人たちに焦点を当てました。こうした活動をどう受け止めていますか。

 三次は、妖怪伝説が生まれた江戸時代の町並みを残し、深い霧の中からもののけが出てきそうな雰囲気を今に伝えている。「人のうわさも七十五日」で消えてしまいかねない話を数百年にわたって語り継ぎ、今につないだ主役は三次市民だ。敬意を抱いている。

 ―既に年間目標を上回る約13万人が来館していることをどう評価しますか。

 家族連れが多い。アニメで妖怪を知った子どもたちが、祖先から引き継いだ妖怪文化に気付く。世代を超えた可能性を感じる。妖怪は「怖い」「不気味」と思われているが、「かわいい」「不思議」といった多面的な捉え方を楽しむ場になればうれしい。

 ―今後の妖怪博物館への期待を聞かせてください。

 「未来の人々からの預かり物」でもある資料を広く見てもらうことに加え、保存して後世に残す。博物館の二つの使命を意識して収集、保存を続けてきた。芸術品から庶民の暮らしに根差した日用品まで幅広い資料は、組み合わせ次第で多様なメッセージを伝えられる。国内外から資料の貸し出し要請があるのはありがたい。妖怪文化の発信地として、三次の存在感を高めるために役立ててほしい。(聞き手は石川昌義)

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<番外編>妖怪博物館に資料寄贈 湯本さんに聞く

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