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「大野あさり」漁業者に天皇杯 先駆的取り組み表彰「農林水産祭」

2020/10/19
アサリの稚貝と成体を手にする下戸成代表

アサリの稚貝と成体を手にする下戸成代表

 広島県特産の「大野あさり」の漁業者たちでつくる前潟干潟研究会(廿日市市)が、農林水産業の先駆的な取り組みを表彰する農林水産祭(農林水産省など主催)の水産部門で、最高位の天皇杯を受賞した。独自に編み出した稚貝の確保法や、干潟の保全の考え方が評価された。11月23日に東京都内で表彰式がある。

 同研究会は2013年、アサリ漁業の研究を目的として同市大野地域の3漁協の有志でつくり、現在は約40人が所属する。アサリは全国的に稚貝の収穫の減少傾向が続き、漁業の存続が懸念される中、15年に独自の資源確保法である「大野方式」を考案したことなどが評価された。

 大野方式は、干潟を綿密に調査してアサリの幼生の生息場所を見つけた上で、一帯の砂地を網袋に入れてその場に置き、1センチ程度の稚貝に育ててから漁場の干潟に移植する。幼生を捕らえる採苗は従来、干潟に網を仕掛けて待ち受ける方式だったが、幼生がほとんど流れてこないこともあった。

 大野方式は効率よく確実に幼生を捕らえられるのが利点で、稚貝を増やすことで、干潟の保全や漁業の存続につなげる狙いもある。

 全国42の団体・個人から選ばれた。県内の水産部門での受賞は、1977年の地御前漁協(同市)のカキ養殖に続き2例目。中国地方では6例目となる。下戸成浩美代表(71)は「会員一丸で地道に努力してきた。今後も研究と技術の普及に取り組み、干潟と歴史ある漁業を守っていきたい」と話していた。(木下順平)

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