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カキいかだの廃竹で発電、野焼きの削減探る 廿日市市が実証事業

2020/10/22 20:55
カキいかだの廃竹を、チップ化する前に確認する廃棄物処理業者

カキいかだの廃竹を、チップ化する前に確認する廃棄物処理業者

 廿日市市はカキいかだで使われた竹をチップ化し、バイオマス発電の燃料として再利用する初の実証事業を始めた。広島県内のカキ養殖は全国一の生産量を誇る一方、いかだの更新時に出る廃竹は市内で年約千トン、県内で約5千トン以上に上るとされ、その多くが野焼きされている。ごみを削減し、エネルギーを生み出すリサイクルの可能性を探る。

 計画では12月下旬までに地御前漁協の事業者から集めた廃竹25トンを市内の廃棄物処理業者がチップ化する。広島、山口両県などのバイオマス発電施設に運び、燃料として活用する。運搬コストや竹の残留塩分、フジツボなどの付着物の処理などの課題を洗い出し、来年度以降の実現が可能か検討する。事業費は100万円。

 カキいかだのほとんどは竹が用いられる。波に対して柔軟にしなるため、振動が海中へ伝わりにくく、養殖中のカキが落下しにくい利点があるためだ。ただ腐食などにより3〜5年で替える必要がある。同市の推計では市内で約975トン、県内で約5700トンの廃竹が毎年出ているもようだ。

 カキいかだの竹は約7メートルと長く、各自治体の処理施設への持ち込みが難しい。このため一部の業者は廃竹をリサイクルしているものの、大半が野焼き処分しているとされる。廃棄物処理法で、農林水産業の一部の廃棄物は野焼きが認められていることも背景にある。

 同市にはこれまで「野焼きの煙で洗濯物が臭くなった」などの苦情が市民から寄せられていた。こうした声も踏まえ、リサイクル実現の方策を探ることにした。事業の見通しがついた場合、県内の他自治体にも情報を提供することを検討する。

 「カキ養殖は市の主要な産業の一つ。野焼きを減らし、より環境負荷のない形にしたい」と市農林水産課の橋本知明課長は説明している。(東海右佐衛門直柄)

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