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アワサンゴ大量死 山口県周防大島沖、群生地の7割

2020/10/23
白い骨格がむき出しになったニホンアワサンゴ(9日、藤本さん撮影)

白い骨格がむき出しになったニホンアワサンゴ(9日、藤本さん撮影)

 山口県周防大島町沖に国内最大規模で群生するニホンアワサンゴが大量死していることが23日分かった。地元保護団体の潜水調査では被害は目視で7割程度に及ぶとみられる。「海の花束」と呼ばれる美しい姿が一変し、白い骨格がむき出しになっている。環境省が年内にも現地調査する。

【写真】緑色の触手を広げる健康な状態のニホンアワサンゴ

 大量死が発生したのは同町地家室沖に広がる約3千平方メートルの群生地。環境省自然公園指導員でNPO法人「自然と釣りのネットワーク」の藤本正明理事(66)が9月28日に一部で確認した。その後、周囲も調べたところ、群生地全体に及び、水深8メートル前後を中心に4〜13メートルほどの地点で発生。通常は緑色の触手を伸ばして海中を揺られているが、白い骨格部分だけの姿が海底に広がっていたという。

 14年間観察する藤本さんによると、9〜10月の産卵期には毎年のように大量死が発生するが、今年ほどの規模は初めてという。「白い骨格だけの異様な光景が広がっている。大量死が頻発すれば群生地が消滅するのでは」と心配する。

 サンゴの生態に詳しい黒潮生物研究所(高知県大月町)の目崎拓真所長(42)はデータが少なく原因は不明とした上で「大量死は感染症や赤潮、水温、堆積物などさまざまな理由で起きる」と指摘。その上で「群生地には小さなサンゴが生き延びており、大量死の要因がなくなれば群生は復活するだろう」としている。

 同町沖の群生地は2013年2月、瀬戸内海国立公園で初めて海域公園地区に指定され、地元ではサンゴを観光資源として生かしたまちづくりを進めている。環境省広島事務所の山崎貴之自然保護官は「まずは、どの程度の範囲で死んでいるのか潜水調査で現状を把握し、次世代のサンゴの状況も分かれば確認したい」としている。(余村泰樹)

 <クリック>ニホンアワサンゴ 東アジアの固有種で日本、韓国、中国に生息する温帯性サンゴ。国内では鹿児島県種子島から千葉県沖の太平洋側と、長崎県から島根県の日本海側に生息する。緑色の触手を広げる姿から「海の花束」と呼ばれる。

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