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核兵器禁止条約、1月発効 使用や威嚇、違法に 批准50カ国・地域、保有国や日本は不参加

2020/10/26 0:00

核兵器禁止条約の制定交渉会議の最終日、条約案への賛否を問う投票の賛成多数の結果を受け、拍手する各国大使たち(2017年7月7日、米ニューヨークの国連本部)

 【ニューヨーク共同=山口弦二】核兵器の開発から使用まで一切を全面禁止する核兵器禁止条約の批准数が24日、発効に必要な50カ国・地域に達した。国連が明らかにした。90日後の来年1月22日に発効する。「核なき世界」実現を求める国際世論の後押しを受け、核兵器を非人道的で違法と断じる初の国際規範が生まれる。核軍縮を保有国に迫る強い圧力となることが期待されるが、米ロや米中の対立など世界の安全保障環境は厳しく、軍縮進展は容易でない。

 米英仏ロ中の五大保有国は参加を拒否、他の保有国イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮も参加しておらず、実効性が課題だ。米国の「核の傘」に頼り同盟関係を重視する日本は安全保障上の理由から参加せず、被爆者を中心に国内で参加を求める声が高まっている。

 不参加国には条約順守義務がなく、実効性を高めるためには批准国を増やすことが必要で、条約推進派は保有国や核の傘依存国に参加を促す動きを活発化させそうだ。米国は複数の国に批准撤回を強く要求している。

 50番目の批准国はホンジュラス。国連のグテレス事務総長は「原爆投下や核実験の被害を受けた(被爆者ら)生存者をたたえるもの」と条約発効を評価。非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長は「核軍縮の新たな区切りとなった」と強調した。

 新型コロナウイルス流行の影響で来年に延期された5年に1度の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、禁止条約が推進国と保有国との火種になるのは確実。米ロの新戦略兵器削減条約(新START)は来年2月が失効期限で、米ロ中の軍拡競争が懸念されるなど核軍縮の前途は多難だ。

 禁止条約は前文で「ヒバクシャの受け入れ難い苦しみに留意する」と明記し、核兵器の開発、実験、保有、使用などを全面的に禁止。使用の威嚇も禁じることで核抑止力を否定した。非締約国にも2年に1回の締約国会議や発効5年後の再検討会議にオブザーバー参加を認める規定を設けた。

 2017年7月7日に国連で122カ国・地域の賛成で採択された。


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