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【核兵器禁止条約とは】核兵器に関わるあらゆる活動を禁止

2020/10/25 15:39

夕暮れに映える原爆ドーム=2020年8月5日(撮影・河合佑樹)

 核兵器禁止条約は、核兵器の「非人道性」に焦点を当て、核兵器に関わるあらゆる活動を禁止し、被害者の支援も視野に入れているのが特徴だ。

 ◆理念

 前提となるのが、民間人を含めて無差別に殺傷する核兵器の非人道性だ。前文では核兵器がもたらす「破滅的な人道上の結末」や、被爆者や核実験被害者の「容認しがたい苦しみ」に触れ、廃絶だけが「いかなる状況でも二度と核兵器が使われないことを保証する唯一の方法」としている。

 ◆禁止事項

 核兵器の使用や保有にとどまらず、使用するとの脅し、実験、他国への譲り渡し、自国内への配備の容認なども対象とする。こうした禁止行為の奨励や支援も禁じられるため、米国の核戦力の維持や強化を求める日本など同盟国の行為も禁止事項に触れる可能性がある。

 核実験は、臨界前核実験など爆発を伴わない実験も含めて禁止されると考えられている。原子力の「平和目的」での利用については、核拡散防止条約(NPT)と同じく認めている。

 ◆保有国の参加

 核兵器保有国が条約に加わる道も用意されている。核兵器を手放した上で参加するか、参加後に手放すかの2通り。後者の場合、すぐに核兵器の実戦配備を解き、定められた期限内に廃棄する。どちらの場合も、検証のため国際機関の査察を受け入れることになる。

 ◆核被害者

 核兵器の使用や実験による被害者への支援も盛り込まれている。条約に参加する国は、被害者を医療、心理、社会、経済的に支援する。また他国に被害を与えた場合は、被害者支援や環境の改善のため、その国を支援する責任も負う。

 ◆運用

 条約は、批准が50カ国・地域に達した90日後に発効する。発効から1年以内に締約国会議が開かれ、廃絶の検証の在り方などより具体的な運用を議論する。保有国など条約に入っていない国もオブザーバーとして参加できる。

 ただ、他の国際条約と同様に締結国以外には適用されないため、条約に反対する米国をはじめとした核兵器保有国に向けて廃絶を粘り強く働き掛ける必要がある。


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