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妖怪 今も昔も<5>魔像三十六体 ヒノキ造り 異形の頭部(2020年8月25日掲載)

2020/8/25 15:08
妖怪立像(魔像三十六体)=江戸時代後期以降

妖怪立像(魔像三十六体)=江戸時代後期以降

 誰が、いつ、何のために作ったのか。謎に包まれた妖怪の群像がある。立像が36体、座像が100体、合わせて136体。立像には「魔像三十六体」という呼び名が伝わる。

 一木造の木彫像で、体は共通の作りであるが、いずれも頭部が異形である。化物づくし絵巻から抜け出してきたかのような妖怪もいれば、鳥、魚など、動物をかたどったものもいる。さながら、立体妖怪図鑑のような作品だ。

 そもそも、この群像は福島県いわき市泉町にあった威徳院という寺に所蔵されていた、との言い伝えがある。同寺が廃仏毀釈で廃寺となった際、いくつかのグループに分散し、受け継がれてきたとされるが、この来歴を裏付ける資料はない。

 作者については、その彫り口から、江戸時代後期から幕末ごろの技法をもつ仏師であると推測されるが、具体的な人物名は浮かび上がらない。

 今回、初めて行った科学調査によって、像の材質がヒノキである可能性が高いことが判明した。ヒノキは仏像によく使われる木材である。今後、さらなる調査や、類例の発掘などを通して像の真相に迫りたい。(妖怪博物館学芸員 吉川奈緒子)=展示内容は記事掲載日現在

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