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広島本通り近くに出張本屋開店 りんご堂、貸しスペースで月数日
2020/10/26 21:03
広島市中区小網町の書店兼カフェバー「りんご堂」が26日、相次ぐ閉店で書店が消失した本通り商店街のそばに「出張本屋」を開店した。「街から本屋さんをなくしたくない」。店主の野崎泰弘さん(26)が危機感を抱き、貸しスペースなどで月に数日営業する。27日もオープンする。
本通り商店街から路地を北に約20メートル入った貸しスペースに「雨雪書店」の名でオープンした。りんご堂から運び込んだ詩集や写真集、エッセー、文芸書など約200冊が並ぶ。いずれも話題書というより、「一度きりでなく、人生の折々で読み返す宝物になるような本」を求めて野崎さんが作家や出版社に直接交渉して仕入れた本ばかりだ。
本通り一帯では近年、書店の撤退が目立ち、8月に閉店したフタバ図書ギガ本通店を最後に、書店は姿を消した。野崎さんは「本屋がない街ってつまらない。本屋として悔しい」と思ったという。すぐに知人の紹介で出店場所を探し、開店を決めた。
雨雪書店を訪れた中区の会社員岸上寛さん(54)は「書店が次々閉店して寂しく思っていた。建物の上階にある書店と違い、ふらっと立ち寄れるのもいい」。詩集など3冊を購入した南区の保育士橘愛子さん(42)は「好みの本が多く、街の中心部にこれまでないタイプの本屋さん」と喜ぶ。
野崎さんは今後も月に数日間、本通り一帯で場所を移動しながらの開店を計画している。27日は午前11時〜午後8時。来月以降の日時や場所はインスタグラムやツイッターなどで知らせる。(鈴中直美)
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