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平安期の貨幣「承和昌宝」発見 山口の国史跡 鋳造失敗した鋳損じ銭

2020/10/27 16:22
新たに見つかった承和昌宝の鋳損じ銭

新たに見つかった承和昌宝の鋳損じ銭

 山口市と山口大が発掘調査を進める国史跡で平安時代の貨幣鋳造所「周防鋳銭司跡」(山口市鋳銭司)で、新たな貨幣「承和昌宝(じょうわしょうほう)」が見つかった。史跡内に初めて大型の建物跡も確認し、生産技術や実態の解明が期待さていれる。

 承和昌宝は朝廷が発行した12種類の貨幣「皇朝十二銭」の一つで、周防鋳銭司が稼働した初期の835〜848年に造られたとされる。発見した2点はいずれもいびつな形の破片で、鋳造途中で失敗した「鋳損じ銭」。7月に元興寺文化財研究所(奈良県)のエックス線CT撮影で判明した。史跡では2018年の「長年大宝」の鋳損じ銭以来、2種類目の発見となる。

 本年度の調査では、史跡南東部に規則的に並ぶ柱の跡「柱穴」も発見。穴は直径1メートルで、3メートル間隔で南北に18メートル、東西に6メートルに渡って並ぶ。北端の穴は未確認のため、さらに規模が大きくなると推測される。鋳造所が官営だったことを示す倉庫や管理棟などの可能性が考えられるという。

 奈良文化財研究所(同)の松村恵司所長は「失敗品は回収して再利用するため普通は残らず、鋳損じ銭の発見は貴重。生産工程や分業体制など、空間利用の在り方の解明が期待される」と話している。(中川晃平)

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