県議会議長公用車に最高級車「センチュリー」 2知事、割れる見解
▽山口「検討不十分」今後見直し/広島「職務踏まえ事務局判断」
山口、広島県がそれぞれ県議会議長の乗る公用車にトヨタの最高級車「センチュリー」を購入して批判を集めている問題で、両県知事の見解が27日、割れた。山口県の村岡嗣政知事は「高額だと思う。検討が不十分で妥当性を精査する必要があった」と反省し、今後は高級車の購入を見直すと表明。広島県の湯崎英彦知事は「議長の立場、職務を踏まえ、議会事務局が判断した」と述べるにとどめた。
山口県は皇族送迎用の「貴賓車」として8月に2090万円で購入し、日ごろは柳居俊学議長の公用車に使う。県によると、「無駄遣い」など177件の抗議が寄せられたという。
村岡知事はこの日の記者会見で、センチュリーの所有台数を3台から2台へ減らした経緯に触れ「経費を減らす中での見直し」と釈明。金額は担当課から7月に報告を受けるまで把握していなかったとして「車種も比較検討する必要があった」と述べた。後部座席のマッサージ機能も不必要と指摘。柳居議長への忖度(そんたく)は「ない」と明言した。
県は4月、新型コロナウイルス対策に集中投資するため、2017年度から続けてきた行財政改革を凍結した。21年度は約70億円の財源不足を見込む。村岡知事は、センチュリーの売却による財源の捻出について「購入した物を有効活用する」として否定した。
広島県は9月、センチュリーを18年ぶりに1830万円で買い替え、中本隆志議長が公務に使う。湯崎知事はこの日の記者会見で、県議会関連の予算は議会側が判断すると強調。議員報酬や議場の設備も引き合いに「私が一義的に判断して、何か方針を出すのは適切ではない」と語った。
県にはこれまでに、電話や電子メールで100件の意見が届いた。「地元のマツダ車にすべきだ」「新型コロナで大変なのにあり得ない」など、いずれも批判的な内容という。(門脇正樹、宮野史康)
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