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海の「花畑」無残、無数の赤ちゃんも 周防大島沖サンゴ大量死ルポ

2020/10/30 23:15
大量死が確認されて1か月後のアワサンゴの群生地。積もった泥を払うと、丸い骨格がはっきりと姿を現した(29日午後0時22分、山口県周防大島町沖、撮影・高橋洋史)

大量死が確認されて1か月後のアワサンゴの群生地。積もった泥を払うと、丸い骨格がはっきりと姿を現した(29日午後0時22分、山口県周防大島町沖、撮影・高橋洋史)

 山口県周防大島町沖の瀬戸内海。潜り始めてすぐの浅瀬は、海藻の隙間に鮮やかなニホンアワサンゴが点在していた。ところが水深4メートルまで潜ると、景色は一変。茶色っぽいゴツゴツとした岩場に、死んだ無数の個体が無残に張り付いており、海底を彩る「お花畑」は変わり果てていた。

 十年以上前から潜水取材をしてきたサンゴの群生地で、かつてない大量死が確認されてから約1カ月。観察を続ける環境省自然公園指導員の藤本正明さん(66)の案内で29日、現地に潜った。

 撮影を進め、くすんだ岩礁を手で払ってみる。泥や有機物の粒子「浮泥」が舞い上がって視界を遮られた後に、死んで蜂の巣のようになった骨格が白っぽい姿を現した。死んで間もない真っ白な個体は少なかった。環境のわずかな変化でも生き物たちが受ける影響は計り知れないと、あらためて感じる。

 周りには、コブダイやイシダイの稚魚の群れも。水深10メートルに達すると、直径数ミリの無数の赤ちゃんがオレンジ色の触手を広げていた。

 潜水を終えた藤本さんは「大量死は終息し、アワサンゴの群生地が消滅するようなことはないだろう」と胸をなで下ろした。(高橋洋史、写真も)

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この記事の写真

  • 死滅したニホンアワサンゴの骨格が無数に広がる岩場。大きなコブダイの姿も見られた
  • 右半分は、弱って触手を引っ込めたニホンアワサンゴ。左半分は死滅して蜂の巣のような骨格があらわになっている
  • 直径数ミリの触手を広げるニホンアワサンゴの赤ちゃん
  • ニホンアワサンゴの赤ちゃん
  • 元気に触手を伸ばすニホンアワサンゴ
  • 元気なニホンアワサンゴ。右側は死滅して白くなった骨格
  • 球体の骨格が岩場に張り付く。死滅から約1カ月が過ぎ、泥などに覆われて茶色っぽく変色している
  • 手で払うと、大量の「浮泥」が岩場から巻き上がった

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