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古関裕而直筆の楽譜見つかる 乃美中高(現賀茂北高)校歌、東広島の民家で 西條八十の作詞原稿も

2020/10/31
古関直筆の楽譜(左)と西條直筆の歌詞

古関直筆の楽譜(左)と西條直筆の歌詞

 東広島市豊栄町乃美の佐伯邦芳さん(71)方で、放送中のNHK連続テレビ小説「エール」の主人公のモデル、古関裕而(こせきゆうじ)=1909〜89年=直筆の楽譜が見つかった。賀茂北高(同町)の前身に当たる乃美中、乃美高の校歌で、作詞を手掛けた西條八十(さいじょうやそ)=1892〜1970年=の原稿もあった。乃美高で学んだ佐伯さんは「地域の誇りだった」と懐かしむ。

 楽譜はA4判2枚の見開き。メロディーと歌詞、伴奏が記載され、「元気よく 明朗に」と歌い方の指示もある。西條の歌詞は便箋3枚に4番まで書かれている。

 乃美中は、佐伯さんの祖父衛(まもる)さんが乃美学舎として1914(大正3)年に創立。20年に乃美中へ改名した。衛さんが亡くなった後、学校を引き継いだ衛さんの弟の美登(よしと)さんが43(昭和18)年、早稲田大時代の友人の西條に作詞を依頼。西條が古関に作曲を頼んだという。

 当時、同大にいた衛さんの長男で佐伯さんの父守義さんが、同大教員だった西條の元へ打ち合わせに通った。守義さんはこれらの出来事をつづっており、佐伯さん方の蔵で楽譜などともに保管されていた。

 それによると、西條は「作曲の謝礼を古関氏は三〇〇円と云っていたが、二〇〇円以内でやるよう特別にはからっておいた」(原文まま)という。完成後、古関宅に作曲料を納めに行った際は、妻金子(きんこ)から「作曲したら必ず私に弾いてうたってきかせてからお出しするのですが、このたびは忙しかったのでしょうか…どんな出来か存じませんで…」(同)と言われたと記している。

 校歌は44年に完成。翌年から、同中が乃美高を経て賀茂北高になる65年まで歌われた。今も100周年記念時に収録した音源を同校のホームページ(HP)で聞くことができる。楽譜や原稿は、12月開設を目指す地域住民による学習支援室で展示される予定だ。

 古関は「栄冠は君に輝く」「君の名は」など時代を映す楽曲を数多く制作。西條は「青い山脈」など戦前戦後のヒット曲を多数手掛けた。乃美高最後の1年生で、校歌を歌った佐伯さんは「有名な先生に作ってもらった曲。同窓会や記念式典で歌うなど、今後も大切にしていきたい」と話している。(高橋寧々)

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  • 楽譜を前に今後の活用法を考える佐伯さん(右)と賀茂北高の松本雅樹校長

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