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弥生時代最大の鉄矛が出土、長さ54・3センチ 鳥取県倉吉の中尾遺跡
2020/11/2 22:16
倉吉市教委は2日、中尾遺跡(同市)の約2100年前に焼失した竪穴建物跡から、弥生時代では国内最大となる長さ54・3センチの鉄矛と、板状鉄斧(てっぷ)、鋳造鉄斧の鉄器計3点が出土したと発表した。いずれも朝鮮半島か中国製。副葬品としてではなく、竪穴建物から3種類が完全な形で見つかったのは、国内で初めて。
貴重で実用性の高い鉄器が再利用されず原形をとどめており、海外から鉄器を入手できる有力な勢力が、住居を意図的に燃やす祭祀(さいし)に使ったとみられる。内陸の丘陵地に位置する中尾遺跡が、日本海と中国山地、瀬戸内海を結ぶ交易拠点であった可能性が浮上した。
鉄矛は国内最大だった東入部遺跡(福岡市)の長さ43センチを上回った。柱穴の土に突き立てられていたとみられる。板状鉄斧は長さ27・5センチと国内最大級で、柱の根元に刃の反対側を突き刺し、刃が上を向いた状態だった。鋳造鉄斧は長さ11・0センチで、床面にあった。
愛媛大アジア古代産業考古学研究センターの村上恭通教授は「前例のない形態の出土で、儀礼の歴史に新たなページが加わった。弥生時代の交易拠点は青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡(鳥取市)など沿岸部に多いが、内陸部にも力を持つ人々がいたことを示す」と評価している。(小畑浩)
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