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給油所過疎地、旧市町村の55% 中国地方で閉店相次ぐ、需要減り後継者も不足

2020/11/2 22:57

 中国地方で、マイカーや暖房器具の燃料確保に欠かせない給油所(ガソリンスタンド)の閉店が相次いでいる。中国四国管区行政評価局(広島市中区)の初の調査によると、「平成の大合併」前に5県で318あった旧市町村のうち、55・0%の175町村が、区域内の給油所が3カ所以下の「給油所過疎地」だった。人口減少に伴う需要減や後継者不足が背景にあり、地域の暮らしを維持するための対策が急務となっている。

 合併を経た後の市町村別の給油所過疎地は経済産業省資源エネルギー庁が毎年公表しており、2018年度は5県の107市町村のうち16町村だった。評価局はその結果を、1999年時点の旧318市町村単位で分析し、175町村が該当すると確認した。

 5県別の内訳は、岡山が46町村(旧78市町村の59・0%)で最も多く、広島が43町村(旧86市町村の50・0%)で続く。山口は29町村(旧56市町村の51・8%)、島根は31町村(旧59市町村の52・5%)、鳥取は26町村(旧39市町村の66・7%)だった。

 給油所数別でみると、ゼロが5町村あり、広島県の旧世羅西町(世羅町)、山口県の旧本郷村(岩国市)と和木町、島根県の旧布施村(隠岐の島町)、鳥取県の旧泊村(湯梨浜町)が該当した。1カ所は45町村、2カ所は67町村、3カ所は58町村となっている。

 資源エネ庁によると、5県の給油所数は18年度末時点で2300カ所。08年度末の3162カ所と比べて27・3%(862カ所)減った。ピークだった95年度末の4602カ所からは半減。人口減少に加えて、車の燃費向上による需要減などが重なり、経営環境が厳しくなっているという。

 一方、中国経済産業局が15、16年に開いた給油所過疎地の対策説明会に出席したのは12市町村だった。評価局は、給油所を存続させていくためには、現状への認識と危機感を各自治体で高める必要があると指摘。経産局に対して、各県で石油商業組合などを交えた協議や情報共有の場を設けるよう通知した。

 給油所はマイカーや暖房器具の燃料確保など、地域住民の暮らしを支える重要なインフラとなる。評価局の佐藤義久評価監視官は「人口減少や電気自動車の普及で、今後の給油所運営はさらに厳しくなる。いち早く取り組みを始めてほしい」と話している。(宮野史康)

 <クリック>給油所過疎地 給油所(ガソリンスタンド)が3カ所以下の市町村について、経済産業省資源エネルギー庁が2012年度末分から毎年、公表している。12年度末は全国で257市町村だったが、18年度末は325市町村へ拡大した。資源エネ庁は車や農機具の給油、移動手段のない高齢者への灯油配達などに支障が出る恐れがあると指摘。地域住民の生活環境の維持や防災の観点で全国的な課題になっているとして、自治体に対し、確保するべき給油所の目標数の設定などでリーダーシップを発揮するよう促している。

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