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広島大病院、外国人患者受け入れ強化 19年40カ国延べ660人受診、多言語で案内・通訳派遣
2020/11/5 23:00
広島大病院(広島市南区)が、増加している外国人患者の受け入れ態勢を強化している。5月に開設した「国際医療支援部」が、院内表示の多言語化や通訳の派遣調整に取り組み、外国人がスムーズに医療を受けられる環境づくりを進める。
国際医療支援部長の杉山英二教授によると、同病院が2019年に受け入れた外国人患者は約40カ国の延べ約660人。6割が新規患者で、受診のために来日した人もいた。市内には約2万人の外国人が住んでいる。新型コロナウイルスの流行が落ち着けば、外国人の受診者はさらに増加するとみている。
支援部は4人体制。病院案内のパンフレットの英語版と中国語版を作り、ホームページや院内の案内板の多言語化を進める。支援部専用のメールも開設。海外の患者や医療者から、受診や研修の問い合わせが寄せられるようになったという。
各診療科の聞き取りを通じ、言葉の壁や日本の保険が使えない人への対応に現場が苦慮していることも分かった。診療現場の負担を減らすため、支援部は在留者、旅行者などのパターン別に対応をマニュアル化。医療通訳の派遣や12カ国語対応の翻訳機の貸し出しもしている。
一般社団法人メディカル・エクセレンス・ジャパン(東京)による認証も目指す。条件を満たせば、日本への渡航受診を希望する海外の患者向けに推奨される仕組み。広島県内では唯一、福山医療センター(福山市)が認証を受けている。
杉山教授は「外国人患者が安心、安全に医療を受けられるようにしたい。渡航受診者が増えるよう、海外への積極的な情報発信にも努める」と話している。(田中美千子)
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