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マイバッグ悪用の万引、7月のレジ袋有料化以降増加 悩む店側、マナー頼み

2020/11/6 22:57
万引対策のため精算前後で買い物かごを色分けしているスーパー(広島市佐伯区)

万引対策のため精算前後で買い物かごを色分けしているスーパー(広島市佐伯区)

 7月にレジ袋が有料化されたのに伴って普及が進むマイバッグを悪用した万引が各地で相次いでいる。レジを通していない商品をマイバッグに入れられれば、万引を見破るのは困難。増加する「マイバッグ万引」の対策に店側は頭を悩ませている。

 「7月以降、マイバッグを悪用した万引が明らかに増えた」。広島市中区で警備会社を営む70代男性は苦々しそうに語る。広島県内と近郊の小売店に派遣している私服保安員約15人が7〜9月に発見した万引は約50件。大半がマイバッグを使った万引だったという。

 8月下旬、同市内のスーパーで40代の女の現行犯逮捕につなげたケースでは、マイバッグの中からパンや総菜、缶ビールなど計29点(5900円相当)もの未精算商品が見つかった。女は、店の買い物かごの中にマイバッグを広げて店内を巡っていた。

 警備会社を営む男性は私服保安員として約20年の経験を持ち、今も現場に立つ。「犯行の一部始終を目撃して取り押さえても『別の店で買った物だ』と言い張られたことがある」と話す。

 プラスチックごみの削減につなげるため、政府が7月、全国の小売店に義務付けたレジ袋の有料化。広島県内のスーパーの多くは、県の呼び掛けに応じ、2009年10月から既に有料化している。万引被害の影響が特に目立つのは今年7月以降に有料化した店だ。県内に本社を置くドラッグストアでは、7月の万引被害額が6月に比べて約3割増加。8、9月も約2割増で推移しているという。

 店側の悩みは深い。食品卸のアクト中食(西区)は運営するスーパーで、精算前後で色の異なる買い物かごを取り入れている。レジを通さずに袋詰め台で商品をマイバッグに移し替えるのを防ぐためだ。

 ある地場スーパーは従業員の増員を検討したが、「人件費が被害額を上回れば本末転倒」と断念した。「最後はお客さんの倫理観を信じるしかない」。店側から、そんな嘆きの声が上がる。

 県警捜査3課の泉淳一次席は「万引は、れっきとした窃盗罪。万引犯が逃げようとして従業員に暴力を振るうなどして凶悪事件につながりかねない」と強調する。

 NPO法人全国万引犯罪防止機構(東京)は8月、マイバッグを使う際のマナーをまとめたポスターを作った。入店時にはバッグを折り畳むことや、他店で買った商品を入れたバッグを持って別の店に入る際、バッグの口を締めることなどを訴えている。

 同機構の光真章事務局長は「店側の自衛策だけでは限界がある。地域や行政も協力してマナーの徹底を呼び掛け、万引しにくい環境をつくることが必要だ」と指摘している。(藤田龍治、木原由維)

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