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県市の土地工事無届け発覚相次ぐ 広島県123件、広島・福山市も

2020/11/7 9:34

土壌汚染対策法に基づく届け出をしておらず、記者会見で頭を下げる広島県の担当者(6日夜、県庁)

 土地の形状を大規模に変える工事を巡り、土壌汚染対策法に基づく着工前の届け出を自治体が怠っていた問題が、広島県内で広がっている。県は6日、無届けの法令違反が2014〜18年度の5年間に少なくとも123件に上ると発表。広島市と福山市も同様の事例があったと明かした。手続きは土壌汚染の恐れの有無を判断するのに欠かせないだけに、認識不足への批判が高まりそうだ。

 【図】土壌汚染対策法に基づく届け出の流れ

 法は、自治体を含む事業者が掘削や盛り土で土地の形状を計3千平方メートル以上変える場合、着工する30日前までに届け出る必要があると定める。汚染を未然に防ぐ狙いで、県内の届け出先は現場が広島、呉、福山3市なら各市長、他の20市町なら知事となる。

 届け出を受けた県と3市は、土壌汚染の恐れがあると判定すれば調査し、一定の措置を取る。無届けには懲役3カ月以下か、罰金30万円以下の罰則がある。

 ▽件数増える恐れ

 県は5日夜に緊急で記者会見し、昨年10月の段階で知事が届け出先となる133件について無届けの可能性を把握していたと発表した。その後、38件は届け出の必要がないと分かった一方、新たに28件の無届けが判明し、差し引きで123件になった。

 いずれも担当職員が法を正しく認識していなかったのが原因という。これまでに27件で届け出を済ませ、残る96件については「できるだけ早くする」(県技術企画課)と説明する。ただ3市への届け出状況の把握はこれからで、件数はさらに増える可能性がある。

 県は法に基づく着工前の届け出として14〜18年度、民間を含む460件を受け付け、うち4件で土壌調査をした実績がある。民間に範を示すべき立場でもあり、担当者は「弁明の余地がない」とうなだれた。

 急きょ公表に踏み切ったのは、県警が2日、広島市発注の複数の公共工事で市職員十数人を土壌汚染対策法違反(土地の形質変更の無届け)の疑いで書類送検したのがきっかけだった。湯崎英彦知事が担当者から報告を受け、早期に公表するよう指示したという。

 県では今年、入札や契約などを巡る不適切な事務処理が相次いで発覚している。県議会では早くも「たがが緩んでいる」(中堅県議)との批判が出ている。

 広島市は6日、18、19年度の市発注工事で無届けが36件あったと明らかにした。一部は19年3月に公表済みで、対象工事のリスト化や職員研修の強化で再発防止を図っているという。松井一実市長はこの日の記者会見で「違反が起こらないようにしっかり対応したい」と説明した。

 ▽他市町 確認急ぐ

 呉市土木部は過去5、6年分を精査した結果、違反はなかったとした。北岡宏紹部長は「あらためて法令の周知を図りたい」と気を引き締める。

 県内の他の市町も、自ら発注した工事の確認作業に追われている。庄原市は内部調査に着手した。可燃ごみ焼却施設の造成とJR備後庄原駅前の区画整理の2件は、適切に手続きしていたと確認。今後もできる限りさかのぼって調査する。府中町は10年度以降の工事について、該当案件があるかどうかを調べている。

【関連記事】

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