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錦帯橋、世界遺産の夢 美しさと技術力、市民一丸で発信 岩国(2019年1月1日掲載)

2019/1/1 20:22
遠くからはアーチが水平で穏やかな線のよう

遠くからはアーチが水平で穏やかな線のよう

 岩国市の国名勝・錦帯橋の世界文化遺産登録に向けた動きが大きな一歩を踏み出した。県と市は昨年12月19日、国内候補となる「暫定リスト」入りに向けた提案書を文部科学省と文化庁に提出。11年ぶりの提案に期待が高まる。

 県と市は2006、07年、文化庁の公募に応じて錦帯橋と周辺地域を含めた「錦帯橋と岩国の町割(まちわり)」の暫定リスト入りを提案。市民団体が署名を集めるなどしたが、リスト入りを逃し、一歩手前の「カテゴリーIa」に位置付けられていた。

 その際、文化庁から示された課題に向き合い、価値を再検証し、新たな提案書がまとまった。江戸期から岩国の歴史とともに歩んできた錦帯橋はなぜ世界遺産にふさわしいのか―。橋に関わってきた人々の歩みや歴史を振り返り、橋の価値や魅力を探った。

 ▽比類なき木造アーチ構造 錦帯橋世界文化遺産専門委員会委員長 小林一郎・熊本大大学院特任教授

 2009年に専門委員会が発足し「錦帯橋が本当に唯一性を持っているのか」を検証してきた。委員や関係者が中国やフランスの現地調査もしたが、錦帯橋の木造アーチ構造は世界で唯一といえる。

 一つは、木製のアーチ橋であれほどの大きさのものが江戸初期以来、存在し続けているという点。小さな木材を使った部材をずらしながら重ねて一体化し、大きな断面のアーチを形成している。
 石積みの橋脚の上に木造の橋を組み合わせており、大工と石工の職能の違う2グループが関わっている。築城に通じる侍の発想でもある。

 もう一つは美しさ。遠くから橋全体を見ると水平で穏やかで一本の線のように見える。そして近づくとアーチが反り上がりダイナミックに、下から見ると木組みの細やかさが分かる。見る位置により表情が違う。視覚的多様性という点でも唯一無二だ。
(ここまで 740文字/記事全文 1732文字)

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  • 下から見ると木組みの細やかさが
  • 石組みの橋脚と木製の橋が組み合わさっている
  • 近くの山と橋のコントラストが絵のよう
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