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庄原・口和の資料館に技術畑「副館長」 元技師の館長がスカウト

2020/11/7 20:56
館の展示品を前にレイアウトの仕方などを話し合う安部館長(左)と才田さん

館の展示品を前にレイアウトの仕方などを話し合う安部館長(左)と才田さん

 庄原市口和町の口和郷土資料館の職員に今春、日立グループで家庭用電化製品の保守管理に携わった才田孝さん(65)=三次市君田町=が加わった。館長の安部博良さん(78)は元ソニーの映像技師。年代物のラジオや蓄音機などの機器を修理し、稼働する状態で展示する資料館で、同じ技術畑の「副館長」として活躍している。

 才田さんは口和町に接する君田町出身。広島大工学部を卒業後、日立製作所や関連会社で製品の保守、技術指導などアフターサービスを統括する業務に従事した。シンガポール、英国などの4カ国でも計23年間勤務した。

 退職後、2018年8月に東京からUターン。資料館には以前から関心があり、同年秋に通うようになった。趣味で作った真空管アンプを持参して、安部館長から助言をもらうなどして親交を深めた。才田さんの経歴と実直な人柄に触れ、安部館長がスカウト。4月から市の会計年度任用職員として採用された。

 「話は理路整然としていて、一を言えば十通じる」が安部館長の才田さん評だ。海外勤務が長い共通点があり、異文化体験や苦労話で会話が弾む。

 才田さんは、大先輩を仰ぎ見る。安部館長は今年、昭和初期の幻のレコード「フィルモン音帯」の再生機を復元。「部品がなければ一から自分で作り設計する。経験に裏付けられた技術力は足元にも及ばない」と舌を巻く。

 現在、才田さんは週3日の開館日に接客や展示品のプレートの新調などを手掛けている。市民から寄せられた機器などのデータベース化にも取り組む。

 日本の「理系離れ」への危機感も安部館長と共有する。ラジオの工作教室や、映像・音声技術のコーナー新設などの構想を一緒に練る。2人の思いは「子どもたちが技術に関心を持つきっかけをつくりたい」。里山の小さな資料館に、ものづくりの熱意が詰まる。(小島正和)

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