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バイデン氏勝利、核兵器廃絶への行動期待 米大統領選受け広島の被爆者ら

2020/11/8 17:38

被爆75年を迎えた今年8月6日、原爆慰霊碑に手を合わせる人たち

 米大統領選で民主党のバイデン氏の勝利が伝わった8日、広島の被爆者や核兵器廃絶運動に取り組んできた人たちは、原爆を投下した核超大国の新たなトップとして、バイデン氏に核兵器廃絶への具体的な行動を求めた。バイデン氏は、「核兵器のない世界」を掲げ、被爆地広島を訪れたオバマ前大統領の目標を受け継ぐとみられ、北朝鮮の非核化など核軍縮にも一定の期待が広がった。

【核政策どう違う】トランプ、オバマ両政権とバイデン氏の姿勢▼【写真】オバマ大統領、広島訪問

 「自国第一主義をうたい、国際的な約束をほごにしてきたトランプ氏の言動に共感できず、新たな核兵器開発の懸念も消えなかった。バイデン氏は、核兵器のない世界の実現に行動してほしい」。広島県被団協(坪井直理事長)の箕牧(みまき)智之理事長代行(78)は力を込める。

 トランプ政権は「使える核兵器」と称される小型核の開発などを進めた。箕牧さんは、バイデン氏がオバマ氏の下で副大統領を務めた経験を生かし、核軍縮からの逆行姿勢を変えて前に進めることを願う。「オバマ氏から広島の感想を聞き、実際に訪れて被爆の実態を知ってほしい」

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(76)は「国際協調を重視する民主党政権となる。すぐに核兵器廃絶が進むとは思えないが、核軍縮はトランプ政権よりは進む可能性がある」と期待。「ただ、オバマ政権でも核廃絶は思うように進まなかった。私たちは声を上げ続ける」と強調した。

 トランプ政権下では、米国はイラン核合意を一方的に離脱し、ロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉も停滞した。核不拡散や核軍縮のための国際協調にことごとく背を向けてきた。

 「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)の森滝春子共同代表(81)は「政権交代で、少なくとも常識的な協調姿勢が戻ると思うと、少しほっとした」と率直に語る。来年1月に発効する核兵器禁止条約については「米国の核政策が抜本的に変わるわけではない」と厳しい視線を向けつつも、「対話のテーブルに着く可能性はある。米国の市民とも連携し、変化を後押ししていきたい」と力を込めた。

 トランプ氏は2018年にシンガポールで金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会い、史上初の米朝首脳会談を実現。一方で北朝鮮の非核化に実質的な進展は見えない。

 爆心地から1・8キロ付近で被爆した韓国原爆被害者対策特別委員会の李鍾根(イジョングン)委員長(91)は「オバマ氏の路線を継承するならば、被爆地の広島・長崎を訪れてほしい。日韓は米国の核の傘の下にいる以上、北朝鮮に効果的に核放棄を迫ることができない。米国のリーダーとして非核化のアプローチの先頭に立ってほしい」と注文した。

 一時は改善が見えた米朝関係について、胎内被爆者で県朝鮮人被爆者協議会の金鎮湖(キムジノ)理事長(74)は「米国が朝鮮への敵対政策を放棄して信頼関係を築けば、朝鮮半島から核兵器がなくなる可能性はある。シンガポールでの朝米共同宣言の精神を踏まえ、平和構築に尽力してほしい」と望んだ。(水川恭輔、猪股修平、明知隼二)

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