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案里氏秘書ら2人起訴 広島地検「百日裁判」申し立て、連座制適用なら失職(2020年3月25日掲載)

2020/3/25 23:46

 自民党の河井案里氏が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区で、法定を超える報酬を車上運動員に払ったとして秘書ら3人が公選法違反(買収)の疑いで逮捕された事件で広島地検は24日、案里氏の公設第2秘書立道浩容疑者(54)=広島市安佐南区=ら2人を同法違反罪で起訴した。地検は立道被告が、候補者の当選を無効にする連座制の対象者に当たると判断。迅速に裁判を進める「百日裁判」を広島地裁に申し立てた。

 他に起訴されたのは、夫の克行前法相(衆院広島3区)の政策秘書高谷真介容疑者(43)=東京都葛飾区。案里氏陣営の脇雄吾事務長(71)=広島市西区=については処分保留で釈放した。地検は起訴した2人の認否や、脇事務長の釈放理由を明らかにしていない。

 起訴状によると、3人は共謀して昨年7月19日ごろから23日ごろの間、中区の案里氏の選挙事務所などで車上運動員14人に公選法の上限を超える報酬計204万円を渡した疑い。関係者によると、上限の倍の1日3万円を支払ったという。

 地検は今月3日に3人を逮捕し、陣営での役割を捜査。立道被告が連座制の対象である組織的選挙運動管理者に当たると判断した。禁錮以上の刑が確定し、広島高検が起こす訴訟で連座制の適用が認められれば、案里氏は失職する。

 地検は当時の立道被告の役割を明らかにしていないが、複数の陣営関係者によると、立道被告は克行氏の元秘書で、参院選公示前の昨年6月に案里氏陣営で車上運動員の調整役の事務担当となった。選挙カーの遊説ルートを作ったほか、報酬の支払いにも関わり、案里氏の当選後に秘書になったという。

 高谷被告は、選挙運動を実質的に仕切ったとされる克行氏と陣営スタッフとのパイプ役。違法な報酬額を払うことを車上運動員の仲介役に伝えたとされる。

 車上運動員への違法報酬疑惑は昨年10月末に週刊文春の報道で発覚。地検が捜査を始めた。複数の陣営関係者はこれまでの地検の任意聴取に「金に関することは全て克行氏が握っている」などと証言し、地検は複数回にわたり河井夫妻の任意聴取をしている。夫妻の関与の有無を引き続き捜査する方針でいる。

 参院選広島選挙区では、自民党が党本部主導で21年ぶりの2議席独占を狙って案里氏を擁立。自民党現職の溝手顕正氏と無所属現職の森本真治氏との激戦となり、新人の案里氏が初当選し、溝手氏が落選した。

 <連座制>買収などの悪質な選挙違反があった場合、候補者本人が関わっていなくても、一定の関係にある人の有罪が確定した際に連帯責任を問う制度。当選無効や同一選挙区での5年間の立候補禁止が科せられる。被告が親族や秘書、「組織的選挙運動管理者等」の場合は禁錮以上の刑が確定するのが条件。確定から30日以内に検察側が当選無効などを求めて提訴し、裁判所が適用を認めれば候補者の当選は無効となる。組織的選挙運動管理者等にはポスター張りの計画や指示、選挙カーの手配などをする後方支援者も含む。公選法は連座制適用の可能性がある場合、起訴から100日以内に一審判決を出すよう努めると規定する。


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