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三次「妖怪屋敷」幕末絵図に記述(2019年11月16日掲載)
幕末に作られた備後地方の情報地図「備後名勝巡覧大絵図」に描かれた現在の三次市のエリアに、「妖怪屋敷」の記述があることが分かった。同市小田幸町の広島県立歴史民俗資料館で絵図を見た三次地区自治会連合会事務局長の西川正治さん(65)が気付いた。同館学芸課は「三次を舞台にした妖怪伝説『稲生物怪(いのうもののけ)録』が幕末期に有名だったことを示す証拠」と意義付ける。
物怪録の主人公、稲生平太郎の屋敷があったとされる三次町に住む西川さんは10月下旬、同館で開催中の「守屋寿コレクションの精華 国内最大級の古地図コレクション」(中国新聞社など主催)を見学した。絵図に描かれた三次町の部分に、物怪録の舞台である「比熊山城趾(じょうし)」と並んで「妖怪屋敷」の記述を見つけた。
同館によると、福山市出身で元メリルリンチ日本証券会長の守屋寿さん(78)が2014年、絵図を県立歴史博物館(福山市)に寄託した。福山市で16年にあったコレクション展でも展示したが、「妖怪屋敷」の記述に気付いた人はいなかったという。西川さんは「妖怪博物館もあるわが町三次町の歴史の一端に触れられた」と驚く。
稲生物怪録は1749(寛延2)年7月、平太郎が出合った怪奇現象を伝える。絵図は1860(万延元)年に福山で作られ、京都で出版された。県立歴史民俗資料館の川辺あさひ学芸員は「江戸時代に写本や絵巻で伝えられていた三次の妖怪伝説は、明治以降に印刷物となって全国的に有名になった。幕末には既に、伝説の舞台として一定の知名度があったことがうかがえる」とみる。
会場では、平太郎の屋敷が描かれた同館所蔵の絵巻物「稲亭物怪(とうていぶっかい)録」の概要を紹介するパネルも展示している。24日まで。18日休館。同館Tel0824(66)2881。(石川昌義)
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