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錦帯橋(岩国市) 未来へ渡す5連の技術(2015年10月16日掲載)

2020/11/8 20:19
反りの均衡が美しい錦帯橋。国内外の研究者も関心を寄せる

反りの均衡が美しい錦帯橋。国内外の研究者も関心を寄せる

 澄んだ錦川に悠然と架かる岩国市の錦帯橋。1673年、岩国を所領していた吉川広嘉が川を挟んだ城下町をつなぐため、流されにくい構造を研究して建造した。全長193・3メートル。組み木による5連の木造アーチ橋は世界的にも珍しい。

 江戸期から、一部を含めて60回以上の架け替えを重ね、創建当時とほぼ同じ姿を保つ。全橋を架け替えた前回2001〜03年度は総事業費26億円を要した。この歴史と技術を唯一無二の価値と捉え、市は04年から世界文化遺産登録を目指している。

 現在、国の暫定リストの一歩手前のカテゴリーTaに位置付けられている。市は本年度、橋を未来永劫(えいごう)存続させるために「錦帯橋課」を新設。民間では、「錦帯橋を世界文化遺産に推す会」が発足し、清掃活動やPRに取り組む。世界遺産化への機運が官民で高まる。

 「コンピューターもない時代。設計に試行錯誤しただろう」と同会幹事長の原田俊一さん(81)。先人の英知は川の流れとともに未来へ続く。(写真・天畠智則、文・野田華奈子)

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