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案里氏秘書に懲役1年6月求刑 弁護側「罰金刑相当」 16日判決(2020年6月10日掲載)

2020/6/10 0:26

 自民党の河井克行前法相(57)=衆院広島3区=の妻案里氏(46)が初当選した昨年7月の参院選広島選挙区で、法定を超える報酬を車上運動員14人に払ったとして公選法違反(買収)の罪に問われた案里氏の公設第2秘書立道浩被告(54)=広島市安佐南区=の第4回公判が9日、広島地裁であり、検察側は懲役1年6月を求刑した。弁護側は従属的な立場で、ほう助犯にすぎないとして罰金刑が相当と訴え、結審した。判決は16日に言い渡される予定。

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 広島地検は、立道被告が連座制適用対象の「組織的選挙運動管理者」に当たると主張。「百日裁判」を申し立て、迅速な審理が進む。懲役刑を含めた禁錮刑以上の有罪判決が確定すれば、広島高検が案里氏の当選無効などを求めて行政訴訟を起こし、高検が勝訴すると案里氏は失職する。16日の判決は刑の重さをどう判断するかが焦点となる。

 検察側は論告で、立道被告は遊説ルート作成や車上運動員の管理を含めた遊説行為を仕切り、報酬の支払時期や方法を自己の裁量で決定していたと述べた。報酬額の決定の一部にも関与し「犯行において重要かつ必要不可欠な役割を果たした」と指摘。法定内に収めたとする偽装工作にも及んだとして「犯情は悪質で懲役刑が相当」とした。

 一方、弁護側は最終弁論で「報酬金額を決める権限など全くない。額を左右できるような協議に加わる立場にもない」と反論。ほう助犯にすぎないと強調し、連座制が適用にならない罰金刑が相当と訴えた。立道被告は最終意見陳述で「世の中のたくさんの人に迷惑を掛け、深く反省している」と謝罪した。

 起訴状によると、立道被告は昨年7月19〜23日の間、克行氏の政策秘書だった高谷真介被告(43)=同法違反罪で起訴=らと共謀し、車上運動員14人に公選法の上限を超える報酬計204万円を渡した疑い。

 案里氏の陣営を巡っては、克行氏が参院選前に広島選挙区内の地方議員や首長、陣営関係者らに現金を配ったとして、検察当局が17日の国会閉会後に公選法違反(買収)容疑で立件する方向で最終調整している。案里氏も一部の議員らに現金を配ったとの見方を強め、同法違反容疑で立件する方針を固めているもようだ。

 <クリック>連座制 買収などの悪質な選挙違反があった場合、候補者本人が関わっていなくても、一定の関係にある人の有罪が確定した際に連帯責任を問う制度。当選無効や同一選挙区での5年間の立候補禁止が科せられる。被告が親族や秘書、組織的選挙運動管理者等の場合は禁錮刑以上の有罪が確定するのが条件。検察側が当選無効などを求めて提訴し、勝訴が確定すれば候補者の当選は無効となる。組織的選挙運動管理者等にはポスター張りの計画や指示、選挙カーの手配などを担う後方支援者も含む。

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  • 第4回公判を終え、広島地裁からタクシーに乗り込んだ立道被告(9日午後2時37分)

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