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安芸高田市長が続投表明 丸刈りで現れ謝罪【動画】(2020年6月27日掲載)
昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、逮捕された前法相の河井克行容疑者(57)=衆院広島3区=から広島県議時代に60万円を受け取った安芸高田市の児玉浩市長(57)が26日、同市内で記者会見し、市長を続投する意向を正式に表明した。一方で、市民の意見を進退の判断の材料にする考えも示した。
頭を丸刈りにした児玉市長は会見の冒頭、「深く反省し、司法の判断を待つ。私の不徳のいたすところ」と頭を下げた。
克行容疑者の妻案里容疑者(46)が参院広島選挙区に立候補することが決まった後の昨年3月末と5月末の2回にわたり、克行容疑者から30万円ずつを受け取った経緯について説明した後、「目指す街づくりに全力で取り組む。今後の進退は、市民の声を聞いて判断したい」と強調した。
県議会副議長を辞職して臨んだ4月の市長選で無投票当選した児玉市長は、これまでの取材に対して一貫して現金授受を否定。今月24日に一転して認めた。
買収疑惑を隠したままでの立候補について、「3月後半、市長選の直前に(検察の)事情聴取を受けて一部の方と相談したが、周囲の期待があり選挙に突入してしまった」と釈明。虚偽の説明を繰り返したことに対しては「捜査機関の要請で話せないことがあった」「一線を守るためにそういう答えをした」と説明した。
現金授受を認めた後の市民の反応については「裏切られたという意見もあれば、『今回は災難だった』『今までの活動の成果を市政に役立ててくれ』という連絡もある」と述べた。「残り3年10カ月の任期を全うしたいのか」という質問には「諸課題に一定のめどを付けたい」と強調。出直し市長選の可能性についても「市民の声を聞いて判断する」と繰り返した。
【解説】続投なら政治不信増幅
26日に記者会見を開き、市長を続投する意向を表明した安芸高田市の児玉浩市長。しかし、昨年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で60万円を受け取っていたにもかかわらず、虚偽の説明を重ねて今年4月の市長選に立候補した責任は重く、辞職を求める声が高まるのは避けられそうにない。
児玉市長は、広島県議だった昨年秋に前法相の河井克行容疑者と妻案里容疑者による買収疑惑が浮上して以降、現金の受け取りや検察による聴取を一貫して否定してきた。前市長の引退表明を受け、地元の待望論にも押されて市長選に立候補し、無投票で初当選。直後には「私自身はクリーンな選挙を今回の市長選でもやってきた」とも発言していた。
当時は、検察による県内の首長や地方議員への一斉聴取が表面化した時期。児玉市長は26日の記者会見で、実際には市長選前の3月後半に聴取を受けたと明かし「どう対応すればいいか決断できず、周囲の期待もあって選挙に突入してしまった」と釈明した。
会見では、検察が現時点で受け取った側の処分を決めていないことも続投する理由に挙げた。だが、「政治とカネ」に厳しい目が注がれる中、事件との関わりを隠して選挙に挑んで首長や議員に就いたのは現時点で児玉市長だけ。多くの市民が問うているのは刑事責任よりも道義的な責任だ。
市民に加え、後援会幹部や支援する市議の中にも辞職するべきだとの声がある。このまま市長の座に固執し続ければ、市政の混乱と政治不信はさらに増幅する。(和泉恵太)
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