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島根の旧三江線トロッコ、初めて県境越え広島へ

2020/11/11 18:24
運行実験で使用が可能になった第4江川橋梁。左奥が口羽駅側

運行実験で使用が可能になった第4江川橋梁。左奥が口羽駅側

 島根県邑南町の旧JR三江線跡地でトロッコ型車両を運行しているNPO法人江の川鉄道(同町)が、県境の江の川に架かる鉄橋を渡って初めて広島県側までトロッコを走らせる。観光庁の実証事業に選ばれたためで、来年2月ごろを予定する。関係者は「県を越えて跡地活用の機運が高まるきっかけになれば」と期待する。

 計画によると、同鉄道やNPO法人伊賀和志江の川鉄道(三次市)などが任意団体をつくり運行実験をする。口羽駅(邑南町)から伊賀和志駅(三次市)方面に進み、江の川に架かる「第4江川橋梁(きょうりょう)」(長さ230メートル)を渡りきった地点まで走る。

 現在よりも定員を増やした新たな車両をリース。鉄橋の上では速度を落とし、川や山並みの眺めを楽しむ。開放的な空間のため、新型コロナウイルスの感染リスクも低いとする。

 新型コロナに対応した新たな観光資源の発掘を図る事業に応募し、今月上旬に採択された。鉄橋と市側の線路もこの事業に限って使える許可を得て、町がJR西日本から借り受ける。事業費は同庁が最大2千万円を補助する。

 江の川鉄道は、町が所有する口羽、宇都井両駅それぞれの周辺でトロッコ型車両の乗車イベントを開いている。将来的に、口羽から伊賀和志を経由して宇都井までの約5キロの区間を鉄道公園化する目標を掲げる。

 しかし、伊賀和志駅周辺はJR西が所有し、三次市も現時点で譲渡を受ける予定がなく、市側の跡地は使えていない。そのため、口羽駅の前後区間約1キロで運行し、県境をまたぐ鉄橋の手前で引き返していた。

 町は来年度以降の県を越えた継続的な活用に向け、三次市やJR西と協議を続ける。江の川鉄道の日高弘之理事長(79)は「県境を渡るトロッコは全国的にもないのではないか。実験を成功させ、魅力アップにつなげたい」と話している。(鈴木大介)


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