【呉 コロナ禍の教訓】<中>教育現場 人権意識、授業通じ養う
2020/11/12 19:14
呉市内で9月下旬から急拡大した新型コロナウイルス感染は、教育現場にも及んだ。小学校4校、認定こども園と幼稚園の各1園の児童・園児計7人の感染が判明し、休校・休園などの対応に追われた。感染に起因するいじめや差別をどう防ぐかも、教育現場の大きな課題となった。
「ありがとう」「あっちいって」―。同市阿賀北の原小で、低学年を受け持つ教諭が授業で使った言葉の短冊だ。うれしい言葉、不安になる言葉の例を児童に募り、書き出した。同小で感染者は出ていないが、「感染の可能性は誰にでもある」と小野結実校長。「何げない言葉一つで、人は喜んだり傷ついたりする。言葉の意味を丁寧に説き、思いやりの心を育みたい」と語る。
同小6年担任の小原由利教諭も、国語や道徳の授業でコロナの話題をあえて取り上げる。「考えや思いを発表してもらい、偏見を持っていれば解消していきたい」と説明する。
市教委によると、市内の保護者の間で感染者を特定しようとする動きが一部にあったものの、「関係者への誹謗(ひぼう)中傷は認められない」という。各校に指導の強化を求め、必要な学校にはスクールカウンセラーを派遣してきた。
▽「秘密にしたい」
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