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制服か私服選択自由に 福山市久松台小がルール変更 各校も慣習見直し
福山市久松台の久松台小は、ことし6月から児童の制服着用のルールを変え、私服も選べるようにした。児童の自主性を育むことが主な目的で、市内の公立小では珍しい対応だ。多様性などを重視する市教委は、現場の実情や時代の変化に合わせ、各校にルールや長年の慣習を見直すよう促している。
昼休憩になると、久松台小の校庭では児童が元気に走り回る。昨年までと違うのは、濃紺の制服に交ざって、色とりどりのトレーナーやスポーツシャツなどを着た児童もいることだ。6年佐藤瑠里さん(12)はお気に入りのジーンズをはいて登校。「スカートじゃないといけないルールは、おかしいと思っていた。ジーンズだと寒くないし、休憩時間も動きやすい」と喜ぶ。
同校では昨年度、制服着用を巡り高学年の児童と教諭が協議。保護者説明会でルール変更を提案しても異論がなかったことから、選択制の導入に踏み切った。季節や授業内容に応じ、児童は服装を自由に決められる。性的少数者(LGBT)への配慮も念頭にあるという。
現在は2〜3割の児童が私服で登校する。保護者からは「子どものころから、他の人と違う状況に慣れる訓練になる」「制服を複数買うよりも経済的負担が少ない」などの声が上がっている。
同校では、宿題の出し方も大幅に変更した。最低限の課題は教諭が設定するものの、それ以外は例示された中から児童が毎週自ら選び、計画を立てて取り組む。清水正憲校長は「自分で考えて決める機会をつくり、答えがないものに答えを出せる児童を育てたい」と語る。
市内では、他の小学校でも校内のルールを見直す動きが出ている。中国新聞が各校へ聞き取りをすると「シャープペンシルの使用を認めた」(松永小)「膝掛けの持参の可否について話し合い中」(旭小)など、規制を緩和する傾向がうかがえた。多治米小も今夏、私服も含めて適切な服装を選ぶよう呼び掛けた。
背景にあるのは、市教委が各校の規定を見直すよう促した2017年の校長研修だ。時代との適合性やLGBTへの配慮など五つの視点を示して各校に検討を求めた。今後、各校の取り組み事例を現場の教諭らが共有できる仕組み作りも計画する。
福山平成大の古賀一博教授(教育学)は「子どもの自主性を育むのが現在の教育の時流。児童に選ばせることで判断、選択する力を身につけることにつながる」と評価している。(川村正治、湯浅梨奈)
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