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黒い雨「国の論理は破綻」 原告側、控訴審前に説明会

2020/11/15 23:01

控訴審での主張方針を説明する竹森弁護士(左から2人目)

 原爆投下後に放射性物質を含む「黒い雨」に国の援護対象区域外で遭い、健康被害を訴える広島県内の男女84人(うち12人は死亡)が被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟で、原告側弁護団は15日、広島高裁で18日に始まる控訴審を前に、原告向けの説明会を広島県安芸太田町と広島市中区で開いた。

 【図表】原告84人が黒い雨を浴びるなどした地点

 広島弁護士会館(中区)であった説明会には原告や支援者約60人が参加し、竹森雅泰弁護士が控訴審での主張方針を説明した。

 原告全員への手帳交付を命じた7月の一審広島地裁判決を被告の市、県、国は不服とし、8月に控訴。控訴理由書で「黒い雨は火災のすすを含んだもので、原告が浴びるなどした場所に放射性降下物が降った科学的知見はない」と訴えている。竹森弁護士は「被爆者援護法も、黒い雨には放射性微粒子が含まれ、健康被害が生じる可能性があることを前提にしている」と反論。「国が自ら定めた法と矛盾した主張で論理が破綻している」と強調した。

 被告側が少量の放射性微粒子を体内に取り込む内部被曝(ひばく)の危険性について、被曝線量を重視している点に関しても「線量で影響の有無は評価できない。高齢の原告の気持ちをくみ取り、高裁には早期の控訴棄却を求めたい」と述べた。

 7月の地裁判決は、放射性微粒子を含む黒い雨は国の援護対象区域よりも広範囲に降ったと認定。原告の疾病との関連が想定されるとし、全員を被爆者と認める判断をした。被告の国は対象区域について再検証するとし、検討会の初会合を16日に開く。(松本輝)

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