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「黒い雨」5手法で調査 降雨域・土壌・文献・カルテ・病状、厚労省検討会が初会合

2020/11/17 6:50

「黒い雨」の援護対象区域について話し合う委員の増田氏(右手前)や木戸氏(右奥)たち

 米国による広島市への原爆投下後に降った放射性降下物を含む「黒い雨」の被害を巡り、厚生労働省は16日、国の援護対象区域を再検証する検討会の初会合を東京都内で開いた。厚労省は降雨区域のシミュレーションや土壌分析など五つの調査手法を説明。医学や気象を専門とする委員は、東京電力福島第1原発事故以降に得られた最新の知見や黒い雨を浴びた被爆者の手記を生かすよう求めた。

 厚労省の正林(しょうばやし)督章健康局長が関係者の高齢化や記憶の風化に触れ、「迅速な検討が求められている」とあいさつ。(1)降雨エリアや放射性物質の分布を探る気象シミュレーション(2)現地での土壌分析(3)米国の公文書館などが保管する文献調査(4)広島赤十字・原爆病院(広島市中区)のカルテ分析(5)広島県・市に健康不安を相談した人たちの病状調査―を進めると説明し、五つのワーキンググループの設置が決まった。

 委員からは網羅的な調査を求める声が出た。広島県庁からオンライン参加した広島大の鎌田七男名誉教授は、福島第1原発事故の放射性物質の飛散状況など最新の知見を活用するよう求めた。国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(中区)に保管されている被爆者の手記にある黒い雨の体験を再検証に生かす案も出た。

 前回の検討会は2012年、降雨地域の特定は困難として拡大に否定的な報告書をまとめた。引き続き座長を務める湘南鎌倉総合病院の佐々木康人・放射線治療研究センター長は「気象学が非常に進歩し前回できなかったことができるのではないか」と話した。

 今回の検証は「黒い雨」訴訟で原告84人全員を被爆者と認めた7月の広島地裁判決を受け、厚労省が控訴する一方、「区域拡大も視野に入れた再検討をする」と表明したのがきっかけ。厚労省の担当者は検討会の結論が訴訟にどう影響するかは「訴訟のための検討会ではない」とした。(河野揚)

 ▽「本当に最後のつもりで」 原告、納得の解決策が鍵
(ここまで 792文字/記事全文 1337文字)

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