地域ニュース
帝釈峡の「雄橋」また落書き、国天然記念物
2020/11/17 18:58
庄原市東城町と広島県神石高原町にまたがる国定公園帝釈峡内の、東城町側にある国天然記念物「雄橋(おんばし)」で、石灰岩の表面に刻まれた複数の落書きが見つかった。雄橋では2年前にも同様の落書きが見つかっており、保護、管理する庄原市教委は今後、落書き防止策や修復法などについて文化庁や県と協議する。
落書きは、長さ90メートル、幅18メートル、厚さ24メートルの一枚岩でできた雄橋の東側の根元部分に2カ所。縦約10センチ、横約10センチの「R」とみられる文字が刻まれていた。近くには、縦約13センチ、横約20センチの範囲で「2020 10 11 T N」と読める文字もあった。
11日に市民が見つけ、市教委が現地を確認して文化庁や庄原署に報告した。刻まれた時期は不明という。市教委は9月末、雄橋の説明看板に落書きをしないよう求める注意文を加えたばかりだった。市教委は落書きされた場所の前と、説明看板の横の計2カ所に「落書き禁止」と書いた看板を急きょ設置した。
2018年8月に見つかった落書きは、市教委が「現状変更」の許可を文化庁から得て、文字と周囲を削るなどして修復した。同市の木山耕三市長は17日の会見で「貴重な文化財であり、大変残念だ。二度と起こらないよう防止策を考えていきたい」と話した。
雄橋は、帝釈川の浸食で巨大な岩の下部分が貫通してできた天然橋で、近世まで橋の上を通行していた。(伊藤友一)
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