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鞆港東側、観光振興へ整備 広島県方針、仙酔島往来船発着点や駐車場
広島県が、鞆港埋め立て・架橋計画を撤回した鞆港(福山市鞆町)の東側に、観光船の発着点や大型駐車場を整備する方針を固めたことが17日、分かった。架橋に代わる交通対策となる山側トンネルの建設で生じる残土を活用。埋め立てで9千平方メートルを確保し、町内の「交通・交流拠点」と位置付ける。早ければ2021年度に着工し、県内有数の観光地のにぎわいを底上げする。
複数の関係者によると、埋め立てでできる土地のうち2千平方メートルを、観光船が発着する用地に充てる。桟橋を新設し、鞆港沖の仙酔島との行き来を見込む。計画地の南側にあり、仙酔島と結ぶ航路を持つ市営渡船場を再編する案がある。
残る7千平方メートルは交通機能用地とし、主に観光客のマイカーや観光バス向けの大型駐車場を整備する。市中心部方面から来る観光客たちに滞在してもらって道幅の狭い町中心部に入る車両を減らし、課題である混雑を緩和する。併せて、災害時の救援物資の集約拠点として活用する防災スペースも確保するという。
県は整備方針について、湯崎英彦知事が鞆港埋め立て・架橋計画を撤回した12年に打ち出したにぎわいプランと、20年2月に公表した新たなまちづくり方針に基づき、詳しい検討を進めていた。港のハード整備の指針となる港湾計画を年内に改め、これらの事業を反映させる方向で手続きを進めるとみられる。
にぎわいプランは、鞆港西側の平地区などでも交通・交流拠点を設ける計画を掲げており、県は詳細な検討を急いでいる。事業費は東西合わせて数十億円規模に上る見通しだ。(樋口浩二)
<クリック>鞆港埋め立て・架橋計画と計画撤回後のまちづくり 広島県は1983年12月、道路が狭い福山市鞆町中心部の交通課題を解消するため、鞆港の一部を埋め立てて橋を架ける計画原案を作成。景観保護などを訴えて反対する住民にも事業推進を説いてきた。2009年11月に就任した湯崎英彦知事は12年6月、計画の撤回を表明し、県の方針を転換。16年12月に正式な撤回に至った。一方で県は、15年度から鞆地区に「振興推進費」として毎年10億円前後を投じ、電線の地中化や高潮対策の護岸整備などを進めている。
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