【ここに注意!新型コロナ】クラスター多様化 飲食店・福祉施設・宿舎…中国地方でも頻発、3密回避・早期発見が鍵
新型コロナウイルス感染症の「第3波」が押し寄せる中、中国地方では11月にクラスター(感染者集団)が頻発し、18日は3件が公表された。これまでの計34件を見ると飲食店や福祉施設、宿舎など多様化している。クラスターの感染者をいかに減らすかが課題だ。広島県の専門家は、クラスターの起きる場面を減らす▽連鎖を防ぐ―という2点が、波を小さくする鍵と説明する。
中国地方で発生したクラスターは11月だけで7件に上る。4月以降の累計は、県別では広島が14件で最も多い。10月下旬から相次ぐ岡山が12件で、山口5件、島根2件、鳥取1件。人口の少ない地域でも油断はできない。クラスターとつながる感染者は少なくとも計620人を超え、中国地方で確認された感染者の4割を占める。
広島大大学院の田中純子教授(疫学・疾病制御学)は「クラスターをつくらないよう、飲酒を伴う懇親会といったリスクの高い場面は、特に『3密』を避けるなどの予防意識を持ってほしい」と呼び掛ける。
実際、発生場所で最も多いのは飲食店関連の15件(44・1%)だ。接待を伴う店だけでなく、居酒屋やカラオケ付きの店などでも起きた。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、飲酒を伴うと会食は大声になりやすく、しぶきが飛びやすいと指摘する。
体を密着するケアなど感染の広がる条件がそろう福祉施設は、広島、岡山両県で計6件(17・6%)あった。岩国市や津山市では医療機関でも発生。そのほか寮や宿舎などでも確認され、集団生活の場での感染防止対策の徹底が引き続き求められる。
「クラスターを早く見つけることも大切」と田中教授は強調する。クラスターの感染者を介して別のクラスターが起きる「連鎖」で感染者が急増するのを防ぐためだ。それには、一人一人の感染を早くキャッチする必要がある。「体調の悪いときには出歩かず、かかりつけの医院などに相談するようにしてほしい」と話している。(衣川圭)
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