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岩国クラスター1週間 コロナ感染拡大で街に危機感

2020/11/19
PCR検査を呼び掛けるチラシを配る市職員

PCR検査を呼び掛けるチラシを配る市職員

 岩国市の飲食店で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が確認され20日で1週間になる。市内では市医療センター医師会病院(室の木町)や別の飲食店でもクラスターが相次ぎ、市内に住む人だけで感染者は62人に膨れ上がった。山口県は19日、市中心部の麻里布3丁目、6丁目の接待を伴う飲食店の従業員たちを対象に一斉検査を決定。観光関係者を含め危機感が一気に高まっている。

 ◆感染状況 学校・医療に影響

 市内のクラスターは計3件。13日に初めて認定された接待を伴う飲食店の従業員や客、その接触者たちの感染は35人となり、別の接待を伴う飲食店でも8人の感染が判明した。医師会病院でも医療従事者と接触者の12人まで広がっている。

 【グラフ】山口県の新型コロナウイルス新規感染確認者数と過去1週間平均の推移

 市教委は児童1人の感染を受け、該当の小学校を23日まで休校すると決めた。医師会病院が当面、患者の受け入れを停止し、救急センターも休日、夜間を含めて休止するなど市民生活への影響も出ている。

 福田良彦市長は19日の記者会見で「感染の連鎖が麻里布地域で広がる可能性を否定できない」と危機感をあらわにした。一方で感染者の大半は感染源を特定できているとして「市中感染を招いている状況ではない」とも強調した。

 ◆繁華街 休業次々「もうやれん」

 県と市が一斉PCR検査を始めた麻里布地域の繁華街。「当面の間休業します」との張り紙が多く見られる。「客が少しずつ戻ってきていたのに。もうやれんです」と岩国駅前料飲組合の大倉竜也事務局長。「本来なら忘年会でにぎわう時期。つぶれる店も出てくるだろう」と声を震わせる。

 バー経営男性は「営業するか迷ったが収入ゼロは痛いから開けている。客は1日に数人。緊急事態宣言の時より悪い」とうつむく。市は19日、検査を受けるように呼び掛けるチラシを対象店舗に配った。

 駅前の中通り商店街もクラスター発生以降、人通りが約1割に減った。農産物即売イベントは中止になった。商店街振興組合の藤田信雄副理事長は「年末までもう動けないだろう」と受け止める。「感染拡大を止められなかった行政の責任は重い。休業要請を出すなりして抑え込むべきだったのではないか」と憤った。

 ◆観光 書き入れ時に募る不安

 市内でクラスターが確認されて初の週末だった14、15日、錦帯橋には昨年の同時期とほぼ同じ6千人近い観光客が訪れた。市錦帯橋課によると、5月に昨年比4%に激減した入橋者数は政府が推進する「Go To トラベル」の影響もあり、11月は例年の7割程度まで盛り返していたという。

 21日からの3連休は例年なら紅葉シーズン最後の書き入れ時。市観光協会の米重良治事務局長は「県外の観光客は市民ほど警戒感が強くないのかも。全国的な感染拡大がどう影響するか予想できない」と不安を募らせた。(永山啓一、坂本顕) 

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