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命の重み、ヒマワリの輪 あいりちゃん事件22日で15年

2020/11/19 22:59
受け取ったヒマワリを川上代表(後列右から5人目)と眺める矢野西小の児童(撮影・川村奈菜)

受け取ったヒマワリを川上代表(後列右から5人目)と眺める矢野西小の児童(撮影・川村奈菜)

 広島市安芸区の矢野西小に19日、今年もヒマワリの花が届いた。2005年に同小1年の木下あいりちゃん=当時(7)=が殺害されて22日で15年。あいりちゃんの遺族から譲り受けた種を継ぎ、広島県海田町の住民グループが命日に合わせて花開くように育てている。命の重みを伝える「あいりちゃんのヒマワリ」は今、市内全域の小学校などで栽培の輪が広がっている。

 この日、住民グループ「かいたのヒマワリ屋さん」のメンバーが高さ60〜70センチほどのヒマワリが植わるプランター12基や切り花16本を同小に運び込んだ。受け取った栽培委員長の6年岩佐洸希(こうき)君(11)は「心を込めて世話をします。命を大切にする思いをつなぎます」と感謝した。花は玄関などに飾る。

 あいりちゃんはヒマワリが好きで、幼稚園から種をもらっていた。事件後、熊本県の祖父母が継いで栽培し、その種を海田町の住民グループ「ひまわりの会」(現在は解散)が譲り受けて「事件の記憶を風化させまい」と08年から町内の畑で咲かせてきた。命日に開花するように工夫し、事件の現場に供えていた。

 15年に同会の有志が、活動を引き継ぐ形でヒマワリ屋さんを結成。現場周辺が開発などで様変わりしたことなどを踏まえて献花をやめ、17年からは命日の前に同小に贈っている。代表の川上一望(かずもち)さん(76)は「事件を忘れないためにも活動を続ける」と力を込める。18年の西日本豪雨で甚大な被害が出た広島県熊野町の大原ハイツにも種を届けた。

 同小もヒマワリにあいりちゃんの思い出を重ね、遺族に譲ってもらった種を基に毎年1年生が育てている。同小などでできた種は市教委が希望する小学校に提供している。20年度までに市立の約8割の115校に渡った。

 命日に先立つ17日、同小で2年生の道徳の授業があった。教材は11年に同小があいりちゃんをモチーフに作った絵本「しあわせの ひまわりの たね」。児童は「ヒマワリの種がずっとつながってほしい」と願っていた。(石井雄一、浜村満大)

 <クリック>木下あいりちゃん事件 2005年11月22日、広島市安芸区の空き地で小学1年木下あいりちゃん=当時(7)=の遺体が段ボール箱から見つかった。ペルー国籍の男(48)が逮捕され、広島地検は殺人や強制わいせつ致死などの罪で起訴した。一審広島地裁は06年、検察側の死刑求刑に対し無期懲役を言い渡した。検察と弁護側の双方が控訴するなどし、10年に無期懲役が確定した。


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